Blender2.79から大幅に改善されたBlender2.8の利点・欠点を紹介する。
もくじ
Blender2.8の利点
多くの機能改善
- 3Dビュー左側のツールアイコンから各種モデリング機能やブラシを選べる
- 複数オブジェクトの一括編集が可能に
- レイヤーが一般的なものに(レイヤーの階層化が可能に、レイヤー数が無制限に)
- オブジェクト削除前警告がなくなった
- 終了時に未保存だとセーブするかどうか聞くようになった
- 以前は「これマジで閉じていいの?」しか聞かなかった
多くの設定を一般的なものに改善
- 左クリック選択になった
- マウスドラッグでボックス選択できるようになった
- 見た目がCGソフトらしい暗めのフラットデザインになった
- 点辺面選択切り替えを1,2,3キーでできるようになった
- スペースキーで再生できるようになった
レンダリングまわり
- リッチなビューポート表示ができるようになった
- ランダムカラー表示やエッジ強調、ユーザー指定のMatcapやHDRI、ワイヤーフレームオンシェードなどにより、
- マテリアルビュー(ルックデブ)でも高品質なプレビューができるようになった
- ライティングされた状態でモデリングなどの作業ができる
- リアルタイムレンダラー(Eevee)とプリレンダラー(Cycles)のマテリアル設定を共有でき、見た目がほぼ同じ
- 間接照明の精度はCyclesの方が高い
Blender2.8の欠点
- 要求スペックが上がった
- 古いパソコンでは十分に作業できない場合がある(主に3Dビューポート周り)
- マテリアルビューでも高品質にプレビューできるため高負荷になった
- 2.79のBlender Renderであれば、低負荷でビューポートプレビューすることができた
- コンパクトなレイヤーは廃止された
- 簡単なシーンでもアウトライナーの利用が必要になった
- Blender Renderが廃止された
- Blender Renderでできる質感はEeveeでも大抵実現できる
- infoエディターがただの履歴表示になった以前はヘッダーの役割だったが、トップバーに変わってinfoからはなくなった
- レンダリングボタンが、プロパティエディター → レンダー 内にはなくなった
- トップバーのレンダー → 画像をレンダリング か、もしくはF12キーからしかアクセスできない
- Eeveeでは使用できないノードがあり、Cyclesと完全共有はできない
- 放射シェーダーをライトとしての使用は不可、 曲率(Pointness)は不可
- 放射シェーダーをライトとして使用することは、可能ではあるが、 イラディアンスボリューム(ライトプローブ)の解像度をかなり上げる必要があるため、ベイクに時間がかかり、あまり現実的ではない
Blender2.79以前の欠点
右クリック選択が慣れない
- ユーザー設定 > 入力 > 選択を"左"に変更可能設定で変更可能
- 設定によって一部機能が使えなくなるような差はない
- Blender2.8では、標準で左クリックになった
マウスドラッグでボックス選択したい
- keymap_setアドオン
- Blender2.8では、マウスドラッグでボックス選択できる
点辺面選択切り替えが面倒
- Blender2.8では、1,2,3キーが点辺面選択切り替え
- 標準で内臓している Pie Menu Official のパイメニュー
- もしくは w_pie のパイメニュー(UVにも対応)
- もしくは Wazou pie menu と Jimmy pie uv のパイメニュー
複数オブジェクトのUVを一括編集
- Multi Object UV Editingアドオン
- Blender2.8では、複数オブジェクト編集ができるようになった
レイヤーに名前が付けられない・ロックできない
- Layer Management(内臓公式アドオン)
- Blender2.8では、標準的なレイヤーになった
Cycles Render のビューポートでの表示が弱い
- ライトや影表示に対応していないなど
- Blender2.8では、ルックデブビューが高品質になった他、リアルタイムレンダラのEevee Renderが導入された
レイヤー数が20個までしかない
- Blender2.8では一般的な無制限レイヤーが追加される
- 逆にレイヤーの複雑さを要求しない小さなプロジェクトでは、コンパクトなレイヤーが廃止されて少し使いづらくなった
- アウトライナーでのグループ表示を使えばレイヤーのように扱える(あくまで下位互換。階層化できない・グループを複数共有できてしまう)
- レンダーレイヤー(出力パス)がレイヤーに依存する
グループ機能を使って擬似的に実現(group_layerアドオン)
グループ機能を使って擬似的なレイヤーにするgroup_layerアドオンを作成した。
グループ機能の問題として、階層化できない・グループを複数共有できてしまう問題はある。

ワイヤーフレームオンシェードがない
- 2.79までは、各オブジェクトごとにワイヤーフレームを表示するかどうかが保存されるためやりにくかった
- オブジェクトを全選択して、Altを押しながらワイヤーフレームをオンにすれば、一括切り替えできる
- 新規追加したものに毎回設定する必要がある
- Amaranth Toolアドオンを使用して一括切り替えができる
- w_pieの shift-alt-アクションマウス下の Wire Allでも可能
- Blender2.8でビューポート基準になった
- ヘッダー > Overlay > ワイヤーフレームを1にし、“show face edges wires”
タイムラインでキーフレームのコピー・ペーストできない
- key_copypae_xアドオン (複数キー一括操作は不可)