遊戯王マスターデュエルにおけるデッキ構築の際の、自分の考え方を書く。
もくじ
考え方
1枚1枚の役割を考える
デッキ内のカードはすべて必然性があって入っているはずである。
今一度自分のデッキをよく見て「なぜそれが入っているのか」を考えながらデッキを組んでみると、洗練された構築になりやすい。
勝利への貢献度で考える
そのカードの勝利への貢献度で測るというのも手。
「このカードがあったから捲れた」という試合が多ければ入れておいた方がよい。
「このカードを入れてるけど活躍機会がどうも少ない」というなら、一旦抜いてみてデッキが機能するか見てみるとよい。
「入ってたら確かに強いが、別にこれがなくても勝ててた」というカードは、過剰なので抜いてもよい。
構築理念を考える
まずそのデッキで何をしたいかを考え、それに沿った構築にする。
- 先行・後攻どちらも安定したデッキを組みたいのなら、誘発を多く積んで初動を最大限入れる。
- 先行制圧にガン振りして暴れたいのなら、誘発は多少削っても展開が伸びるギミックや上振れ札を入れてみる。
- 特定のデッキのメタを張りたいのなら、確実に致命的なメタを構えられる構築にする。
- 後攻デッキの場合は、環境トップの最大展開盤面を想定して、それに勝てる構築にする。
勝利に重きを置くなら「先攻を落とさない」ことが重要
マスターデュエルのランクマッチやデュエリストカップは、試合回数をこなして「総合的な勝率で勝ち越せていること」が勝利条件になっている。
連続で負けたとしても最終的に勝っている試合数の方が多いなら結果的には良いため、収束したら50%取ることができる先攻では極力勝って、後手ではたまに勝てればよい。
この「先攻を落とさない」というのが重要であるため、先攻で勝ちきれるようにやりたい試合運びを考えるのは重要。
そのため、先攻で腐ってしまう後手札や素引きしたくない死に札は評価が低い。
デッキ枚数
デッキは基本的に40枚にするべき。
デッキの動きを始められる初動のカードの枚数はテーマによって限界があるので、この決められた枚数しか入れられない初動カードをできる限り初手札の5枚で引き込むために、デッキは最低限の枚数した方がよい。
「手札が事故った」という愚痴は、40枚かつ初動を最大限入れた構築でなければあまり文句を言えない。
特別な意図がなければ基本的に40枚がよい。
41~枚デッキ
素引きしたくないカードをなるべく初手に引きたくない時は、40枚より多くして引きにくくする、という考え方がある。
(サーチ先がデッキからしか対応していないカードや、展開途中に必ずサーチするから素引きしているとアド損になるカードなど)
欠点として、デッキが厚くなるほど枚数が限られているカードを引きにくくなる。
(1テーマに限りがある1枚初動、指名者系、Gうららなどの強い誘発)
特にGを弾けるカードが引けなくなりがち。
過度に気にしなくてもいい
あくまで確率の話なので、シビアに考えすぎなければ数枚程度は許容範囲内にも思う。
Gが重くないデッキであれば指名者/うららを必ず引く必要はないし、2枚初動デッキであればデッキを太らせても気にならない。
60枚デッキ
デッキが厚いほどメリットがあるデッキにおいては、60枚にする価値がある。
60なら枠に余裕が多くあるので、大量のギミックやテーマを入れたり、パワーの高いカードを多く採用できる。
別テーマと合わせればそちらの初動も増えるので、実質的には初動がかさ増しできる。
60枚にするメリットの例
なにかしらのあえてデッキを太らせる理由がある場合は、40枚以上の枚数にする。
- 素引きしたくないカードを引く確率を下げる。
- 隣の芝刈りやモンスターゲート・名推理で大量のアドを稼げる。
- サーチ先に多くの択ができ、対応力が上がる。
採用枚数
デッキ内に採用する枚数にも意味はある。
自分の中の採用理念に沿っているか考えて、枚数を決める。
- 3枚
- できる限り初手で引きたいカード、複数枚あっても腐りにくいカードは3枚採用にする。
- 2枚
- 展開で必ず使う必要のあるカードは、3ターン目以降を考えて2~3枚採用する場合がある。
- 素引きすると展開が止まってしまうカードを1枚引いてしまっても問題ないように、2枚採用にする場合がある。
- 1枚
- 展開でのみ使うカードのような、1枚あれば良いカードを1枚採用にする。
- 「名称ターン1での被りを回避する」という意味で、別種類の誘発を1枚ずつ採用するというやり方もある。
- 必須ではないが、採用していれば対応力が上がるカードも1枚採用にする。
- EXのカードは、毎ターン使いたいカードでなければ基本的に1枚採用でもよい。
初動
デッキのやりたい動きを始めるカードを、初動という。
その初動にアクセスできるカードも、初動である。
初動が引き込めないと自分のターンになにもできないので、それだけで敗色濃厚となってしまう。
初動となるカードが多いほど手札事故が少なく、安定して動くことができる。
1枚初動
1枚から動き始められるカードを、1枚初動という。
1枚だけで動けるので、できる限りこれを引き込みたい。
よほど初動が多いテーマでもなければ、最大枚数入れるのが基本。
欠点として、1枚初動の展開はルートの1箇所を止められたら止まることが多く、妨害への耐性は低い。
別ルートを辿れる初動や、途中で止められても貫通できる札(1体モンスターを追加できれば展開を続行できるなど)があるとよい。
- 烙印で例えるなら、[烙印融合]が1枚初動である。
- 烙印融合にアクセスできるアルベルも、1枚初動である。
- アルベルにアクセスできるおろかな埋葬も、1枚初動である。
- おろ埋 → 悲劇の墓地効果 → アルベルをサーチして召喚 → 烙印融合
召喚権が必要なカード
召喚権を使って出すモンスターは初動札の事が多いが複数枚引いても1枚しか使えないので、4,5枚程度にしたい。
複数枚初動
単体では初動にならないが、複数のカードが揃えば動くことができるカードを準初動・○枚初動という。
1枚初動より強い展開ができることが多い。
複数枚初動が狙えるように、多めにそれらのカードを採用するのも手。
複数枚初動が揃うように初動用の札を多く入れざるおえず、誘発の枠が狭くなりがちなのが欠点。
- パッチワーク型烙印で例えるなら、[融合] + 悲劇 + 闇/光が準初動である。
- 融合すれば悲劇を効果で墓地に落とせるので、前述のおろ埋と同じ動きで烙印融合にアクセスすることができる。
初動を安定させる
ドローソースを入れる。
強貪・強謙などのドローできるカードは大抵使えるデッキを選ぶので、コストを見て検討する。
サーチカードを入れる。
サイバネットマイニングのような種族サーチカードや、なんでもサーチのスモールワールドなどを採用する。
他のテーマと混ぜる。
他のテーマの初動と合わせれば、単純に初動が増える。
特に召喚権を食い合わないテーマだと合わせやすい。
例えば、☆4の御影志士さえ立てば良い【アダマシア】は、イシズや春化精などの様々な4エクシーズが出せるテーマと合わせることができる。
なるべく腐らせない構築にする
ある状況になったら使えなくなってしまうカードがないように構築する。
使えないカードが少しでも手札にあると、それ抜きの手札枚数で戦わなければいけなくなり、単純に不利になる。
先攻/後攻どちらでも使えるカードを採用する
先攻・後攻どちらでも一定の仕事をするカードは、どちらのターンでも使い勝手がよい。
手札誘発はこの特性を持っているため、評価が高い。
一滴・コズサイ・月の書などの速攻魔法や泡影は、後攻で使える上、先攻でもセットして相手ターンに使うことができる。
三戦の才は、先攻では2ドローやハンデス、後攻ではコントロール奪取で前盤面を崩壊させることができる。
天底の使徒は、先攻ではガルーラ1ドロー・後攻ではヌトス1破壊をすることができる。
この「どちらのターンでもなるべく腐らない」ことを基準に採用するとよい。
どちらか片方のターンだけでしか使えないカードは、それを補って余りある強みを持つカードを採用したい。
素引きしても動けるようにする
展開に必須かつデッキ内にいなくてはいけないカードは、複数枚採用しておく。
「展開に必須だが素引きしてはいけないカード」がある。
本来なら1枚でいいが、それの素引きしてしまった時をケアするために2枚以上採用する場合がある。
もしくは、規定ルートを使わない他のプランを用意しておく。
上振れ札
引いていると強いカード(上振れ札)は、通常の初動に比べて単純に妨害が増えたり、リソースに余裕ができたりして、硬い盤面になって突破されづらくなる。
しかし、大抵「初動にはならない・単体では使えない」という欠点を持つことが多い。
上振れ札はなるべく手札に来ても腐らないカードだとよい。
誘発(汎用妨害)
デッキのメインギミックでは対応できない状況を、誘発のような汎用札で対応する。
後攻になってしまうと大抵なにもできずに負けるので、誘発は現代遊戯王においてほぼ必須である。
手札誘発
うらら・G・泡影・ヴェーラーなどの、後攻0ターン目に相手の動きを抑えるカード。
後攻0ターン目に好き放題されると全く捲れない盤面を敷いてくることがよくある。
これをさせないために、少しでも相手の最終盤面を弱くできるように採用する。
誘発対策(墓穴・抹殺)
うららや増殖するGがきついテーマは、基本的に墓穴・抹殺を採用する。
誘発がきついテーマはほとんどなので、墓穴・抹殺も同様に必須カードである。
空いている誘発スロットが多いほど強いテーマ
「誘発を多く積める」というのはそれだけで強い。
デッキのメインギミックが少ない枚数で完結していて、誘発を多く積むことができるといいテーマである。
弱いテーマは、展開に必要な必須パーツが多すぎたりして、誘発にまで割くデッキの枠がない。そのため、後攻に弱くなりがち。
例外として、あえて誘発を採用せず、対応されにくい罠を全伏せする罠ビや、ラヴァゴや壊獣で踏みつける後手捲りデッキ、手数でごり押す未界域や全盛期イシズティアラなどの型もある。
最終盤面
その時の環境にあった妨害を敷くのがよい。
例えばティアラ環境では、墓地を除外したり墓地利用を封じたりするのが強い。
また、同様に自分は墓地を利用しない方が、相手の墓地メタに引っかからない。
対策したい仮想敵のデッキを決めて、それに合う盤面や試合のプランを考える。
妨害の分散
妨害は、複数の場所に分散している方が強い。
妨害がモンスターだけに寄っていると、サンボルや冥王結界波のような全体除去カードに弱い。
魔法罠や手札・墓地に妨害を構えられていると、例えモンスターが全除去されても0妨害にならず、その他の妨害で戦うことができる。
妥協展開を考えておく
誘発でメイン展開が止められてしまった場合の、妥協プランを用意しておくとよい。
ノーガードでターンを渡すということは、そのままワンキルされて敗北してしまうということである。
1妨害でも残しておけば、ワンキルされずにターンが返ってくる可能性がある。
例えば、☆4が揃えやすいデッキであれば、バグースカが定番。
あらゆるデッキで採用できる妨害は、モンスター2体で作れるリトルナイト。
場のモンスターが1体消えると動けないというデッキも少なくない。
特定のカードへのメタ
自分のデッキがやられてきついカードを想定して、あらかじめメタカードを採用しておくと、対応幅が広がり勝ちを拾える対戦もあるかもしれない。
リトルナイトやドナ・アザレア・トロイメアケルベロスやトロイメアフェニックスなどのリンク2は、出しやすくて相手の盤面に触れることができる。
- バグースカを採用できるテーマは多く、対策していないとなにもできずにターンを渡してしまう。
- これを回避するため、出しやすくてモンスター除去ができる汎用リンク2をEXに1枚採用していると、モンスターを2体揃えれば突破できる。
- 永続罠・永続魔法がきつい場合、トロイメア・フェニックスを採用していれば突破して展開できるかもしれない。
メタはEXデッキに積めるとよい
泡影や羽根帚など、メインデッキに積める対策札は大抵サーチができない汎用札であり、困った状況になってから使うには素引きするしか手段がない。
そのため、EX側で対策札を積めると、能動的にアクセスできてよい。
もちろんメインギミックからアクセスできるテーマであればそちらを使うのも有効。
地雷デッキや罠ビは切り捨てる方が楽
変なデッキへの対策札を入れると、総合的な勝率は下がってしまう。
地雷デッキやメタデッキに対応しようとすると構築が歪み、普通のデッキへの対面への対応力が下がってしまい、より多く当たりやすい普通の対面に負けてしまう。
メタデッキと当たることが少ないのであれば、それらは切り捨てた方がよい。
あまりにも多く当たるようであれば対策は必要。