
遊戯王マスターデュエルにおけるデッキ構築の際の、自分の考え方を書く。
もくじ
考え方
1枚1枚の役割を考える
デッキ内のカードはすべて必然性があって入っているはずである。
今一度自分のデッキをよく見て「なぜそれが入っているのか」を考えながらデッキを組んでみると、洗練された構築になりやすい。
そのカードの勝利への貢献度で測るというのも手。
「このカードがあったから捲れた」という試合が多ければ入れておいた方がよい。
「このカードを入れてるけど活躍機会がどうも少ない」というなら、一旦抜いてみてデッキが機能するか見てみるとよい。
「入ってたら確かに強いが、別にこれがなくても勝ててた」というカードは、過剰なので抜いてもよい。
構築理念を考える
まずそのデッキで何をしたいかを考え、それに沿った構築にする。
- 先行・後攻どちらも安定したデッキを組みたいのなら、誘発を多く積んで初動を最大限入れる。
- 先行制圧にガン振りして暴れたいのなら、誘発は多少削っても展開が伸びるギミックや上振れ札を入れてみる。
- 特定のデッキのメタを張りたいのなら、確実に致命的なメタを構えられる構築にする。
デッキ枚数
デッキは基本的に40枚にするべき。
デッキの動きを始められる初動のカードの枚数はテーマによって限界があるので、この決められた枚数しか入れられない初動カードをできる限り最初の5枚で引き込むために、デッキは最低限の枚数した方がよい。
「手札が事故った」という愚痴は、40枚かつ最大限初動を入れた構築でなければあまり文句を言えない。
41~枚デッキ
サーチ先がデッキからしか対応していない効果があると、素引きすると展開が止まってしまう場合がある。
素引きしたくないカードをなるべく初手に引きたくない時は、40枚より多くして引きにくくする、という考え方がある。
ただし、あくまで考え方の話であって、その分初動も引きにくくなるということは覚えておくこと。
特別な意図がなければ基本的に40枚がよい。
60枚デッキ
デッキの枚数が多いほどメリットがあるデッキにおいては、60枚にする価値がある。
あえてデッキを太らせる理由がある場合は、40枚以上の枚数にする。
60枚でも動けるように、初動となるギミックを多く積んだり、パワーの高いカードを多く採用するとよい。
60枚にするメリットの例
- [隣の芝刈り]を使えば最大20枚墓地肥やしができる。
- 【インフェルノイド】で[モンスターゲート]や[名推理]を使えば、何十枚肥やしもできる可能性がある。
- 強貪の10枚デッキ削りや叢雲の8枚除外が比較的気にならなくなる。
採用枚数
デッキ内に採用する枚数にも意味はある。
自分の中の採用理念に沿っているか考えて、枚数を決める。
- 3枚
- できる限り初手で引きたいカードは、3枚採用にする。
- 2枚
- 初動でなくても、展開で必ず使う必要のあるカードは、3ターン目以降を考えて2~3枚採用する場合がある。
- なくてもよいが、素引きしていれば強いカードを採用する。
- 素引きすると展開が止まってしまうカードを1枚引いてしまっても問題ないように、2枚採用にする場合がある。
- 1枚
- 展開でのみ使うカードのような、1枚あれば良いカードを1枚採用にする。
- 「名称ターン1での被りを回避する」という意味で、別種類の誘発を1枚ずつ採用するというやり方もある。
- 必須ではないが、採用していれば対応力の挙がるカードも1枚採用にする。
- EXのカードは毎ターン使いたいカードでなければ基本的に1枚採用でもよい。
- 1枚採用は「ピン差し」ともいう。
サーチ手段がないカード・使える状況が限定的なカードは弱い
羽根帚やサンダーボルトなどは、使えれば単純に強いカードではある。
ただ、サーチ手段がないので、必要な状況になった時に能動的に使うことができない。
「安定して使用できない」というのはそれだけで評価が低いので、採用されないことも多い。
強いのに採用されづらいカードは、後攻でしか使えない・サーチできないなどが考慮されて不採用となることもある。
- アクセスする手段がないため素引き前提で、安定して引き込めない。
- 制限カードは1枚しか入れられないため、安定して引き込めない。
- 羽/サンボルなどの除去札は後攻前提であり、先行では腐る。
- 逆に壊獣カグヤやヌメロンのような後攻デッキなら採用しやすい。
1枚でも入れていれば増殖するGを無視して動いてきた相手を咎めることができる
利点として、こちらが投げた増殖するGを無視してワンキルや最大展開しようとしてきた時、ニビルやヴェーラーなどを1枚でも入れていればワンキルを阻止したり、返しにサンダーボルト1枚で盤面を一掃することができる。
このように、増殖するGを突っ張ってきた際には引ける確率が高くなるので、それを見越した捲り札のピン差しはあり。
その他
- 「3枚採用できる」という点を考慮して、ライトニングストームや拮抗勝負から採用するのもあり。
- 羽サンボルはこれらの4枚目として採用する。
- 「捲り札にもなって先行でも使える」という点で、[三戦の才]の評価は高い。
初動
デッキのやりたい動きを始めるカードを、初動カードという。
その初動カードにアクセスできるカードも、初動カードである。
初動が引き込めないと自分のターンになにもできないので、それだけで敗色濃厚となってしまう。
初動となるカードが多いほど手札事故が少なく、安定して動くことができる。
1枚初動
1枚から動き始められるカードを、1枚初動という。
1枚だけで動けるので、できる限りこれを引き込みたい。
- 烙印で例えるなら、[烙印融合]が1枚初動である。
- 烙印融合にアクセスできるアルベルも、1枚初動である。
- アルベルにアクセスできるおろかな埋葬も、1枚初動である。
- おろ埋 → 悲劇の墓地効果 → アルベルをサーチして召喚 → 烙印融合
準初動/複数枚初動
単体では初動にならないが、複数のカードが揃えば動くことができるカードを準初動・○枚初動という。
準初動は要求が重いので揃えるのが難しかったり、手札消費が激しくリソース勝負で負けやすいのが欠点。
- パッチワーク型烙印で例えるなら、[融合] + 悲劇 + 闇/光が準初動である。
- 融合すれば悲劇を効果で墓地に落とせるので、前述のおろ埋と同じ動きで烙印融合にアクセスすることができる。
初動を安定させる
命削りや強貪・強謙などのドローソースを入れる。
ドローできるカードは大抵使えるデッキを選ぶので、コストを見て検討する。
サーチカードを入れる。
サイバネットマイニングのような種族サーチカードや、なんでもサーチのスモールワールドなどを採用する。
他のテーマと混ぜる。
他のテーマの初動と合わせれば、単純に初動が増える。
特に召喚権を割かないテーマだと合わせやすい。
例えば、☆4の御影志士さえ立てば良い【アダマシア】は、イシズや春化精などの様々な4エクシーズが出せるテーマと合わせることができる。
上振れ札
引いていると強いカードのことを上振れ札(うわぶれふだ)という。
通常の初動に比べて単純に妨害が増えたり、リソースに余裕ができたりして、硬い盤面になって突破されづらくなる。
しかし、大抵「初動にはならない・単体では使えない」という欠点を持つことが多い。
上振れ札はなるべく手札に来ても腐らないカードだとよい。
例
烙印で例えるなら、[赫の烙印]を引いていれば、ルベリオンに泡影を受けても回避できる。ただ、赫のような単体では動けないカードを多く採用すると、初動が引けなくて動けない状況になる可能性がある。
また、[赫の烙印]や[烙印追放]を引いていると、アルビオンでサーチするカードに余裕ができるため、[赫の烙印] + [烙印追放]の2枚を構えて、妨害を増やすことができる。
誘発(汎用妨害)
デッキのメインギミックでは対応できない状況を、誘発のような汎用札で対応する。
後攻になってしまうと大抵なにもできずに負けるので、誘発は現代遊戯王においてほぼ必須である。
手札誘発
うらら・G・泡影・ヴェーラーなどの、後攻0ターン目に相手の動きを抑えるカード。
後攻0ターン目に好き放題されると、現代遊戯王では全く捲れない盤面を敷いてくることがよくある。
これをさせないために、少しでも相手の最終盤面を弱くできるように採用する。
誘発対策(墓穴・抹殺)
うららや増殖するGがきついテーマは、基本的に墓穴・抹殺を採用する。
誘発がきついテーマはほとんどなので、墓穴・抹殺も同様に必須カードである。
空いている誘発スロットが多いほど良いテーマ
「誘発を多く積める」というのはそれだけで強い。
デッキのメインギミックが少ない枚数で完結していて、誘発を多く積むことができるといいテーマである。
弱いテーマは、展開に必要な必須パーツが多すぎたりして、誘発にまで割くデッキの枠がない。そのため、後攻に弱くなりがち。
例外として、あえて誘発を採用せず、対応されにくい罠を全伏せする罠ビや、ラヴァゴや壊獣で踏みつける後手捲りデッキというやり方もある。
最終盤面
その時の環境にあった妨害を敷くのがよい。
例えばティアラ環境では、墓地を除外したり墓地利用を封じたりするのが強い。
また、同様に自分は墓地を利用しない方が、墓地メタに引っかからない。
例えば、スプライトではアークデクレアラーを出せるメルフィー型にしたり、アトラクターを採用したりする。
妨害の分散
妨害は、複数の場所に分散している方が強い。
妨害がモンスターだけに寄っていると、サンボルや冥王結界波のような全体除去カードに弱い。
魔法罠や手札・墓地に妨害を構えられていると、例えモンスターが全除去されても0妨害にならず、その他の妨害で戦うことができる。
妥協展開を考えておく
誘発でメイン展開が止められてしまった場合の、妥協プランを用意しておくとよい。
ノーガードでターンを渡すということは、そのままワンキルされて敗北してしまうということである。
1妨害でも残しておけば、ワンキルされずにターンが返ってくる可能性がある。
例えば、☆4が揃えやすいデッキであれば、バグースカが定番。
あらゆるデッキで採用できる妨害は、デスフェニ出張。モンスター2体さえ揃えばアナコンダからデスフェニが出せる。
特定のカードへのメタ
自分のデッキがやられてきついカードを想定して、あらかじめメタカードを採用しておくと、対応幅が広がり勝ちを拾える対戦もあるかもしれない。
- バグースカの採用テーマは多く、対策していないとなにもできずにターンを渡してしまう。
- これを回避するため、バグースカを戦闘突破できるウィルスソードマンをEXに1枚採用していると、モンスターを2体揃えれば突破できる。
- 永続罠・永続魔法がきつい場合、トロイメア・フェニックスを採用していれば突破して展開できるかもしれない。
メタはEXデッキに積めるとよい
泡影や羽根帚など、メインデッキに積める対策札は大抵サーチができない汎用札であり、困った状況になってから使うには素引きするしか手段がない。
そのため、EX側で対策札を積めると、能動的にアクセスできてよい。
もちろんメインギミックからアクセスできるテーマであればそちらを使うのも有効。
例えば【ティアラ】では、キトカロスからハートビーツをサーチして、魔法罠を除去することができる。
地雷デッキやメタ対面は切り捨てる方が楽
変なデッキへの対策札を入れると、総合的な勝率は下がってしまう。
地雷デッキやメタデッキに対応しようとすると構築が歪み、普通のデッキへの対面への対応力が下がってしまい、より多く当たりやすい普通の対面に負けてしまう。
メタデッキと当たることが少ないのであれば、それらは切り捨てた方がよい。
そもそも、メタ対面であっても先行を取れれば勝てることも多いので、「先攻を取られたメタ対面」は運が悪かったと思った方が気が楽。