遊戯王マスターデュエル環境においての、汎用カードの利点・欠点・採用検討をあたらめて振り返る。
もくじ
手札誘発
なぜ手札誘発が強いか
手札誘発は、相手ターン(後攻1ターン目)でも発動できる妨害手段として優秀である。
現環境においては、相手に先攻を取られると大量の強いモンスターを展開されて妨害を立てられ、自分のターンでは何もできない盤面になる、ことがよくある。
これへの対抗手段として、「自分のターンが回ってこなくても・相手ターン中でも妨害できる手段」は、現環境においては非常に有用である。
このように手札誘発自体が強いので、デッキ内のテーマカードが少なくても展開できて手札誘発を多く積めるテーマほどより強い。
その他の妨害手段について
昔人気だった妨害手段の「罠」は、発動する前に除去される・自分のターンの次のターンからでないと発動できない(遅い)ため、現環境においてはあまり有用ではない。
ミラーフォースのような攻撃宣言時に発動する系のカードは、バトルフェイズに入る前に除去されてしまうため微妙である。
おおまかな採用基準まとめ
- 増Gとうららは刺さる機会が多いため非常に採用しやすい。
- 入れない理由がなければとりあえず入れたい。
- 幽鬼わらしやDDクロウは、墓地利用デッキが多い環境だと採用しやすい。
- デスフェニがどのデッキにも入る環境だと特に。
- 無限泡影は、より多く誘発を積みたい・入れる枠があるなら入れたい。
- エフェクト・ヴェーラーは、無限泡影に加えてさらに多く誘発を積みたい場合・モンスター素材として活用できるデッキなら入れたい。
- 墓穴の指名者は、誘発対策・墓地利用メタとして非常に採用しやすい。
- 入れない理由がなければとりあえず入れたい。
- 抹殺の指名者は、墓穴2枚目以降に積みたい。
- 先行制圧デッキのような絶対に展開を通したいデッキで採用されやすい。
増殖するG
相手が特殊召喚するたびに1枚ドロー。
- 相手が特殊召喚するほど、自分の手札リソースが溜まっていく。
- 相手がGを無視して大量に特殊召喚して強い制圧盤面ができたとしても、それを解決するカードを引く可能性が上がる(禁じられた一滴やライトニングストーム、壊獣など)。
このため、相手の展開を抑制する効果がある。 - 昨今のほとんどのテーマでは特殊召喚で展開していくため、刺さりやすい。
- 腐ることがほとんどないのも利点。
- その他、マクロコスモス状況下で発動できない。
打つタイミング
増殖するGはフリーチェーンなため、いつでも発動することができる。
相手が特殊召喚する効果を使ってきた時にチェーンして発動するのが基本的な使い方。
相手ターン開始時に即使うのではなく、確実にドローできる効果発動の瞬間や、相手が展開し始めようとした時に打つのが効果的。
その他では、モンスターが2体並んで明らかにリンク召喚しそうな状況だったり、ペンデュラムスケールを揃えたりしたときにはすぐさま発動したい。
(これらの召喚にはチェーンを組むことができず、Gを発動することができない)
灰流うらら
デッキに触る効果を無効化。
- デッキからのあらゆるサーチ・ドロー効果を止めることができる。
メタれるカード効果の範囲が非常に広く、これだけで相手の展開を止める、または抑制することができる。 - 腐ることがほとんどないのも利点。
- その他、マクロコスモス状況下で発動できる。
原始生命態ニビル
相手が5回特殊召喚したターンに発動でき、相手のモンスターをすべて除去。
自分フィールドにATK3000・相手フィールドに(場合によっては)高打点トークンを召喚。
- 使った際の効果は非常に強いが、発動条件は展開型デッキでないとほとんど満たせない。
- 展開型デッキと当たる確率・手札に来る確率を検討して採用したい。
- 大量展開しないデッキに対しては完全に腐るのが欠点。
- 1枚だけ入れても最初の手札に来ない場合があって、それ以降ほぼ腐るのも欠点。
- 相手フィールドに強いトークンができるが、バニラモンスターを破壊する手段は多くあるため、あまりデメリットではない。
無限泡影
モンスター効果無効。
セットしてから使えば、同じ列の魔法罠を無効。
手札から発動は、自分フィールドに何もない状況でのみ可能。
- 召喚してから発動する系の動きを止めることができる。
- 先行妨害以外にも、自分のターンに強力な相手モンスター効果を無効化してから自分の展開を通したりすることができる。
- 「同じ列の魔法罠無効」効果は、相手が魔法罠セット済みである状況がさほど多くはないため、あくまでおまけ程度か。
- 活用できる状況であれば、これ1枚でモンスター効果・魔法罠を止められるので強い。
- また、無効化したい相手の魔法罠セットカードと同じ列に無限泡影をセットして置くと、それが無限泡影だとバレやすい(逆にこれをブラフにも使えたりする)。
エフェクト・ヴェーラー
モンスター効果無効。
相手メインフェイズ1のみ発動可能。
- 相手メインフェイズにしか利用できないというのが欠点。
- 大抵は相手の展開を止める手段として利用される。
- 無限泡影と違って、自分の攻めには利用できないのがおしい。
- モンスターであること、チューナーであることに注目して採用を検討したい。
- その他、魔法使いであるため、アクセスコード・トーカー召喚へのギミック要因として使うことができる。
- チューナーとモンスター1体でハリファイバー >
- ハリファイバー効果でヴェーラーをデッキから召喚 >
- 2体で神聖魔皇后セレーネ >
- セレーネ効果で墓地のヴェーラー蘇生 >
- 2体でアクセスコードトーカーを召喚(ATK5300・2除去)
PSYフレームギア・γ
モンスター効果の無効と破壊。
- 他のモンスター効果無効の手札誘発とは違い、発動した場所を問わず、破壊までできるのが利点。
- 状況次第だが、自分のターンにこれを発動できれば、出たモンスター2体をシンクロ・リンク素材にすることができる。
- 欠点は、モンスターゾーンが空でないと発動できないため、こちらがすでに展開した後の盤面では発動しにくい。
- PSYフレーム・ドライバーという☆6通常モンスターをデッキに入れる必要があること。
こちらが手札に来てしまうのが事故要因となる。 - また、デッキから特殊召喚する効果が含まれるため、うららが効く。
座敷わらし
相手が墓地に触る効果を無効化。
- 墓地利用するテーマは非常に多くあるため、刺さりやすい。
- ただ、無効にするだけで除外しないため(再利用を許してしまう)、刺さらないときは刺さらないのが欠点。
DDクロウ
相手の墓地カードを除外。
- 墓地利用するテーマは非常に多くあるため、刺さりやすい。
- ただ、除外するだけで効果を止められないため、刺さらないときは刺さらないのが欠点。
- モンスター以外の魔法罠も除外できる。
ディメンション・アトラクター
次のターン終了時まで、墓地へ送られるカードはすべて除外。
自分の墓地が空でないと発動できない。
- 墓地に送ってもリソースが貯まらない・墓地送りの条件を満たせないなどで展開を抑制できるため、場合によっては何させずにターンを終了させることができる。
- 誘発の中ではかなり強力な抑制効果がある。
- 自分の墓地が空でないと発動できない。
- 1・2ターン目に手札に来なければ、それ以降は完全に腐る(自分の墓地が空という状況はほぼないため)。
- 「次の自分のターン終了時まで続く」という欠点があるため、自分も墓地を利用しない・除外されても問題ないデッキでないとこのカードを投入することができない。
- 増殖するGのような、墓地へ「送る」効果は発動できなくなるため注意。
手札誘発メタ
墓穴の指名者
相手墓地のモンスターを除外。
次ターンまで同盟カード効果は無効。
- 多くの手札誘発を無効化することができるため、自分の展開を妨害されずに通すことができる。
- 墓地利用するテーマは非常に多くあるため、刺さりやすい。
- 後攻1ターン目以外では、DDクロウと座敷わらしなどの上位互換といえる。
- 「次のターン終了時まで無効」なのを忘れないように。
(相手のうららを墓穴で無効後に、自分がうららを打っても無効化されてしまう)
抹殺の指名者
自分のデッキ内にさえ同名カードがあれば、なんでも無効化。
実質汎用カードメタ。
- 汎用手札誘発の採用率は現環境では非常に多いため、相手の誘発を止めることができる。
- 墓穴と違い、墓地に落ちる誘発以外の効果や魔法罠(ライスト・羽根箒など)も無効にできる。
- その他の採用率の高い汎用強カードも止めることができる。
- 「絶対に自分の動きを通したい展開型デッキ」では採用検討されやすい。
- 墓穴2枚目以降に検討か。
その他
壊獣
相手モンスター1体を生贄に、高打点モンスターを相手フィールドに特殊召喚。
ほぼすべてのモンスターを、耐性に関わらず除去することができる。
- 除去した後に高打点モンスター(最低でも2200)を相手フィールドに置いてしまうのが欠点。
- ただ、「耐性持ち・妨害持ちをただのバニラの高打点にした」と考えれば、かなり強い。
- 最低打点のガメシエル(ATK2200)か、風の結果像(LL鉄獣シムルグ結界像)を意識したガダーラ(ATK2700)がよくある選択。
禁じられた一滴
手札・場のカードをコストにした分だけモンスター効果無効。
- 自分のターンに強力な相手モンスター効果を無効化してから自分の展開を通したりすることができる。
- 「適したものをコストにすれば無効化されない」という点が強い。
妨害モンスターが大量にいる盤面でもこれで解決することができる。 - コストさえ払えば複数体無効化することもできる。
- ただ、コストが必要なので、場合によっては重い。
禁じられた聖杯
モンスター1体の効果を無効化。
ATK400ポイントアップ。
- マスターデュエルではレアリティが低いため、UR汎用妨害の代替として採用しやすい。
- 他のモンスター効果無効と比べて制約・コストがなく、速攻魔法のためどんな状況でも発動しやすい。
- 自分のモンスターにも適用できるのが特徴。使い方によっては独特なコンボができる。
- 無限泡影などの手札誘発に比べて相手ターンに発動できない、一滴に比べてチェーンされる危険性がある。
ライトニング・ストーム
相手の攻撃表示モンスターか魔法罠を全除去。
どちらかを状況に応じて選んで全破壊できる、というのが魅力。
また、一般的なデッキでは数少ない、魔法罠を割れる手段である。
絶妙な制約があるのが欠点だが、自分に合うなら採用もあり。
シングル戦のマスターデュエルでは、不意に魔法罠主体のデッキと対戦する時もあるので有用。
- 大量破壊は魅力的だが、破壊耐性があるモンスターも多いため、相手によってはあまり有効ではない。
- 後攻2ターン目の、場に何もない状況では発動しやすいが、下手に自分のモンスターが残っていたりすると発動できないのが欠点。
- フィールド魔法や永続魔法罠を採用しているデッキには投入しにくい。
- ライストケアで「守備表示で特殊召喚する」というのをよく見かけるので、状況によっては効きづらい。
サンダーボルト
相手のモンスターを全除去。
発動条件や表示形式を気にせず使えるモンスター全除去。
ライストのデメリットと比較して採用を検討したい。
羽根箒
相手の魔法罠を全除去。
魔法罠の除去を少しでも検討するならまず入るカード。
欠点は、現環境はモンスター主体デッキが多めなため、相手によっては完全に腐ることもあること。
いっその事、魔法罠主体デッキとの対戦は捨てるつもりで羽根を採用せず、他の対策に特化させるのもあり。
拮抗勝負
バトルフェイズ終了時に、実質1枚以外全除去。
モンスターに対してではなくプレイヤーに課す制約であるため、耐性持ちでも問答無用で除去することができる。
大量展開してターンを渡してきた状況では、非常に大きい打撃を与えることができる。
扱いにくいが、盤面をリセット可能。
勝負を急がず堅実な盤面を作れるデッキには合いそう。
- 欠点は、一番除去したい強いモンスターが残ってしまう。
- バトルフェイズ終了時であるため、そのターンは自分が攻めることができず、相手にターンを渡してしまう(また展開される危険性がある)。
- 自分のフィールドは完全な更地になっていないと除去能力が落ちる。
手札誘発ケア
手札誘発カードをデッキに入れるのが当たり前の環境になっているため、それらを警戒した上で動く必要がある。
- うららを無効化されてもいいように、本命のサーチカードより先に他のサーチカードを発動しておく。
- 相手がニビルを持っていそうなら、特殊召喚は4回までにする。
または、4回までにモンスター効果無効にできるモンスターを場に出しておく(バロネスなど) - 展開をどうしても止められたくないなら、抹殺の指名者を入れておく。