環境設定を複数用意する方法とPC/バージョン間で設定を共有する方法を紹介する。
もくじ
PC/バージョン間で設定を共有する方法(Windows)
PC/バージョン間で設定を共有するには、シンボリックリンクを利用する。
バージョンごとに共有する場合は、[2.80]などのバージョン名のフォルダをシンボリックリンクで複製する。
アドオンだけ共有したい場合は、~\scripts\addonsのフォルダを指定する。
- Blenderの設定フォルダ
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Blender Foundation\Blender\2.80
シンボリックリンクとは
シンボリックリンクとは、特定のファイルやフォルダを、別の場所でも本物としてそのまま配置することができる機能。置いている場所が別でも本物であるためファイルパスも本物であり、各種アプリでそのまま参照することができる。
Link Shell Extension
Link Shell Extension のダウンロードと使い方 - k本的に無料ソフト・フリーソフト
シンボリックリンクはコマンドプロンプトでも作成できるが手間。
Link Shell Extensionというフリーソフトでは、右クリックから簡単にシンボリックリンクを作成することができる。
クラウドアプリを利用する
別PCでも設定を同期するには、DropboxやGoogleドライブなどのクラウドアプリを利用する。
- クラウドフォルダ内に実際の設定フォルダを配置する
- Blenderの設定フォルダは下記
- C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Blender Foundation\Blender
- 設定フォルダを、シンボリックリンクで各PCの設定フォルダ内に入れる
Dropboxを利用する場合は、クラウドフォルダ内の方に実データを配置する必要があるため注意。
環境設定を複数用意する方法
Blenderの環境設定を複数用意して、違う環境のBlenderを開く方法を、3つ紹介する。
実作業用と人に説明するための実演解説用を分けたり、アドオン開発の検証用に初期設定環境で作業したい時などに便利。
方法1.別のBlenderを.zipでダウンロード
新しくBlenderを.zip形式でダウンロードし、フォルダ内にconfigフォルダを作ることで、そこに設定が作成されるようにできる。
このBlenderフォルダをまるごとUSBに入れるだけで、好きな環境設定のBlenderを持ち運びすることもできる。
- 公式ダウンロードサイトから[.zip形式で]新しくBlenderをダウンロードする
- zipを解凍する
- 解凍したフォルダの中の、バージョン名(2.80など)のフォルダの中に、configフォルダを作る
- zip内にあるBlender.exeを起動すると、設定がconfigフォルダ内に作成される
欠点
内蔵のアドオンと自分で入れるアドオンが同じscriptsフォルダ内に入るので、ごちゃまぜになる。
アドオンフォルダ内を頻繁にいじらない人にとっては些細なことではある。
ダウンロード日で並び替えすれば、判別はできる。
方法2.設定フォルダ名を変える
好きなフォルダをバージョン名に名前変更して、 環境設定保存場所に置くことで、そのフォルダを設定として開くことができる。
Blenderは、下記の場所にBlenderのバージョンごとに設定が保存され、それぞれのバージョンを開くと対応した設定フォルダが読み込まれる。
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Blender Foundation\Blender\バージョン名(2.80など)
欠点
環境設定を変える時に毎回名前を変更する必要があるため、頻繁に違う設定で開きたい場合は面倒。
方法3.別設定で開く.batファイルを作る
実行したら特定のフォルダの設定を読み込んで起動する.batファイルを作る。
利点は、同じBlender.exeで、別の設定を起動できることと、環境設定の場所を自由に指定できること。
サンプル
set BLENDER_USER_CONFIG=C:\Users\sdt\Desktop.80 TESTver\config set BLENDER_USER_SCRIPTS=C:\Users\sdt\Desktop.80 TESTver\scripts set CYCLES_OPENCL_TEST=NONE cd "C:\Program Files\blender-2.80" start blender.exe
- 空のテキストファイルを作る
- 1行目 …… configのフォルダの場所を指定する
- 2行目 …… scriptsのフォルダの場所を指定する
- 場所は好きな場所でかまわない
- 3行目 …… コンソール画面を非表示に設定する
- 4行目 …… cd で、実行するBlender.exeがある場所に移動
- " " で括ること
- 5行目 …… start で、Blender.exeを実行
- テキストファイルを、.bat形式にして保存
- 実行すると、指定した設定フォルダで開くことができる