Eeveeのマテリアルで作るハッチング表現のノード構成を紹介する。
版画・ボールペン画・マンガなどの、線のみで作る陰影表現をハッチングという。
もくじ
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使用例
凹凸のしっかりあるモデルに使うと、よりハッチングの良さが出る。
使うライティングごとにマテリアルの値はある程度調整する必要がある。
参考
ハッチングの3D表現を研究してる人。クオリティが高い。
ラインの種類1つ1つを丁寧に作っている。使いまわしできるようなマテリアルではなく、このモデル専用の絵作りをするという感じ。
今回の手法に近い。
ノード全体像
ベースの線表現を作る
波テクスチャを利用してラインを作る。
テクスチャの回転度合いは、ライティングや好みによって変えるとよい。
そのままでは明るすぎるので、最後に数式ノード(乗算)で暗くする。
これをノードグループとしてまとめる。
スケールを後で調整できるように、波テクスチャのスケールをノードグループの入力にしておく。
回転値は後で調整できるように、マッピングノードの回転のZをノードグループの入力にしておく。
ライン2つを合成
前項で作ったノードグループ2つを乗算で合成して網目状にする。
今回は影になる付近のみ網目状になるようになっているが、もっと強く合成すればよりはっきりと網目状になる。
Controller枠内のように、値を使うと2つの値を同時に後調整しやすい(必須ではない)。
ノイズを作る
そのままベースのラインノードを使うと規則的すぎるので、ノイズを加える。
マスグレイブテクスチャのノイズテクスチャを利用する。
ノイズと合成
シェーディング
ディフューズBSDFなどの陰影と合成した素材を使うことで、陰影に沿ったトゥーンの質感を得ることができる。
シェーダーノードをシェーダー以外のものと合成するには、シェーダーからRGBへというノードを利用する必要がある。Eevee以外では使えないので注意。
今回は単純な陰影を使うだけではなく、輪郭が潰れないようにフレネルノードも合成する。
シェーディングとベースのラインを合成
カラーランプで色付け
カラーランプノードの一定を利用すると、グラデーションのないはっきりとした結果を得ることができる。
陰影の強度は、オブジェクトやカメラ・ライトなどの状況ごとに調整する必要があるかもしれない。
間接照明的なものを追加
影部分の情報量が少なく物足りない質感になるので、影内に間接照明的なものを作る。
シェーディング項で作ったノード出力を、カラーランプで反転して、ベースのラインのノードを合成する。
作った間接照明ノードは、ミックスノードのマスクとして利用して好きな色を合成する。
ハイライトを追加
間接照明ノードを反転せず、好きな塩梅で調整すると、ハイライトを作れる。
ハイライトのあるハッチング表現はあまりないので、ハイライトは使わないほうがそれっぽく見えるかもしれない。
背面法による輪郭線
ソリッド化モディファイアで作った面をノーマル反転し、アウトライン用のマテリアルを裏面非表示にすると、アウトラインのように見せることができる。