質感を作るためには多様なマスクが必要になる。
Blenderのプロシージャルテクスチャを利用したマスクの作り方を、いくつか紹介する。
もくじ
スクラッチ
擦れて傷んだスクラッチ表現。
ボノロイを2種合成し、差分を抽出する
ボロノイテクスチャの、[端との距離]と[F2,ユークリッド]の2つを合成し、重なった部分の線だけを抽出する。
[端との距離]は、コントラストを絞ると線になる。
これに[F2,ユークリッド]を重ねると、[端との距離]での線と線が交わる部分以外を抽出することができる。
コントラストを絞ると、線と線が交わる部分を削ることができ、ランダムな線が散らばっている絵を得ることができる。
スケール・回転を少し変えた3種類用意し、合成する
単体では線の重なりがなく不自然なので3種類用意し、スケールで縦横に伸ばしたり、回転を少し変えたものを合成する。
さらに物足りなければ、ノイズテクスチャを引き伸ばしたものを重ねるのも良い。
エッジ
角だけ傷んだ表現。
ベベルノードと、テクスチャ座標[ノーマル]を、内積で合成する。
ベベルの[半径]にノイズテクスチャを加え、エッジに雑味を加える。
AOでマスクすれば、溝部分のエッジは除外できる。
注意点
ベベルノードはCyclesレンダーでのみ使用可能なので、この方法はCyclesレンダーでのみ使うことができる。
グラデーションノイズ
下部・上部だけの汚れやサビなどの表現。
ただノイズをグラデーションテクスチャでマスクするだけではうまくできない。
グラデーションとノイズテクスチャをミックス0.5で合成した後にコントラストを絞る。
これでノイズの輪郭のあるグラデーションを得ることができる。
- テクスチャ座標[オブジェクト]でグラデーションテクスチャを使えば、常にオブジェクトの上部や下部だけを得ることができる。
- コントラストを絞るのは、上画像ではノードグループ化しても使いやすいようにマッピング範囲を利用しているが、通常であればカラーランプでもよい。
その他の表現
下記は値調整での表現の幅。
ノイズを立てに伸ばせば、雨で汚れが滴った経年劣化ような表現ができる。
凸部分
メッシュの凹凸、溝やエッジを際立たせる。
ジオメトリーノードの[凸部分]を利用し、コントラストを絞る。
解像度はメッシュに依存するので、スカルプトモデルのような高解像度モデルで有用。
水玉模様
ボロノイテクスチャ[F1,ユークリッド]を、ランダム0.0にする。
カラーランプ[コントラスト]で、ほしい円の大きさにコントラストを絞る。
テクスチャ座標[オブジェクト]ではうまくいかない
テクスチャ座標が[オブジェクト]だと、上画像のような縞々がどうしてもできるようなので、滑らかな面にはきれいな水玉模様を付けることができない模様。
使うならUV座標にするのがよさそう。
リンク
Tx Layerアドオンでは、内臓のノードグループでエッジやグラデーションノイズを表現できる。