
実際に自分が使用している実用的なアドオンを紹介する。
有志のアドオン・内蔵アドオン・自作アドオンに分けて、合計24個を掲載する。
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もくじ
アドオンのインストール方法
アドオンのダウンロード・インストールなどに関しては、下記の記事でまとめた。
複数ファイル構成のアドオンのインストール方法・再読み込み方法・インストールできない場合など細かな注意点があるので、つまづいた場合はこちら。
有志のアドオン
mira tools【カーブでメッシュ整形】
メッシュ編集
カーブでエッジをなめらかにする メッシュ整形で役立つ。
CurveStretchを実行すると、エッジをなめらかな曲線に自動で整形でき、カーブ状のUIをいじって位置調整もできる。
頂点を均一に並べたり、カーブ数を少なくして直線化したりすることも可能。
他にも様々な機能があるが、自分はこのカーブによるメッシュ整形機能が最も便利。
https://blenderartists.org/t/miratools/637385
ダウンロード
別のアドオンも含めた公開場所で公開されている。
- 緑色のClone or Download ボタンから[Zip Download]で、一旦全てをダウンロード
- mifthtools/blender/addons/2.8フォルダの中の"mira_tools"フォルダをzip化
- Blenderにインストールする
tex tools【UV展開補助色々】

下記のような機能がまとまったUV補助アドオン。
- 90度回転ボタン
- 頂点・UVピースの整列
- 縦・横にUVピースを並べる
- グリッド状に展開
- 各種マップの簡単ベイク
- その他色々
ダウンロード
Hard Ops【ハードサーフェスモデリング補助】 $20
※ 現在2019-08-08は $20
モデリング補助、特にハードサーフェス系のモデリングを補助する機能群。
このアドオン作者自身がハードサーフェス系のモデルを以前から作成しており、作業に必要に感じた機能を随時追加していっている。
機能が多く、全機能を把握するのは大変なので正直全てを使いこなせてはいないが、モディファイアの高速設定だけで十分便利。
- アジャストモディファイア
- 各種モディファイアを設定・マウスコントロールでパラメーターを調整できる
- 簡単ブーリアン
- シャープやベベルなどのエッジ管理
- エッジの角度によってシャープやベベルを設定など
- その他諸々の編集補助機能
デモ動画
全画面でも作業できるように設計されており、わざわざプロパティエディターに行く手間を減らせる。
線を書いてオブジェクト切り取りしている機能はBoxCutterという別のアドオンなので注意。
ダウンロード
EdgeFlow【トポロジ整形】

メッシュ編集
周囲のメッシュの流れを参照して、曲線になるようにエッジを整形する。
よいトポロジに整形しようとするので、単純に整形ツールとしても使える。
ダウンロード
Scramble Addon【細かなツールセット】
操作効率化
600個に及ぶ膨大な細かい一括処理やかゆいところに手が届く機能を導入する。
- 選択モードと同じ要素を削除
- オブジェクトやボーンを「確認せず削除」
- マテリアル・テクスチャなどの未使用のデータを削除
- 選択頂点だけを隠して編集をロック
- 全体一括処理
- チェーン状ボーンをグリースペンシルに沿わせる
開発者消失でサポート終了しており、Blender2.8verはない。
ダウンロード
Blender-Scramble-Addon - github
PolyQuilt【マウス操作のみでポリゴンモデリング 】
マウス操作のみでポリゴンモデリングができるアドオン。
Blenderは、ポリゴンモデリングの各種機能が対称編集に対応していないが、
このアドオンを使用すればメッシュをドラッグ移動・ループカット・押し出し・削除・除去などを対称編集で行うことができる。
- マウス操作のみでポリゴンモデリング
- メッシュをドラッグ移動・ループカット・押し出し・削除・除去
- メタセコイア風の操作感
- オブジェクト表面に作成できるのでリトポ機能として活用
ダウンロード
Ice Tools【リトポ向け シュリンクラップ高速適用】


リトポロジー
シュリンクラップをすぐさま設定・適用する。
リトポ補助アドオンは色々あるが、自分は結局基本のモデリング機能 + Ice Toolsアドオンに落ち着いた。
多くの機能を使い分けるより基本機能で突き詰める方がやりやすい。
- シュリンクラップをすぐさま設定・適用
- 頂点グループによるシュリンクラップしたくない部分の保護
動画解説
ダウンロード
このアドオンのBlender2.79は原作者がサポートしなくなったため、
自分がBlender2.8にアップデートして少しの改善を加えて公開している。
Ice Tools (Blender2.8) - github
Ice Tools (Blender2.79verと解説サイト) - Blender Artists
vtools_libraryManager【ブラシなどのテクスチャ一括管理】
スカルプト

テクスチャをフォルダごと一括読み込み・除去する。
ブラシテクスチャ管理に便利。
動画解説
ダウンロード
このアドオンのBlender2.79は原作者がサポートしなくなったため、 Blender2.8verは自分がアップデートして公開している。
addon-texture-library(Blender2.79ver 解説あり) - BlenderArtist
詳細な解説
内蔵アドオン
Blenderに標準搭載されていて、標準で無効化状態になっているアドオンを紹介する。
AutoMirror【ミラーモディファイアの自動設定】
メッシュ編集
半分を削除してミラーモディファイアを設定する。
左右対称なオブジェクトの編集で必須の作業を、完全に簡略化することができる。
このアドオンとミラーモディファイアのおかげで、ミラーに関してはBlenderが最も優れていると感じる。
ダウンロード
自分が手を加えたバージョンでは、上記の機能に加え、
複数オブジェクト一括設定・別のオブジェクトを対称にしたミラーを自動設定することができる。
(Blender2.79verのみだったMirorMirorアドオンの機能の結合)
動画解説
Auto Save Render【レンダリング結果を自動保存する】
レンダリング
レンダリングした画像を自動保存する。
保存する手間が省ける。
制作過程が後で確認できるため、比較がやりやすく、意外とやりがちなレンダリングでのオブジェクト表示ミスや設定の戻し忘れなどを防ぐことができる。
ちなみに、他のCGソフトの一時的なレンダリング結果保持機能のようなものは、このアドオンよりも画像エディターのスロット機能が近いか。
自分は画像として保存される利点からこのアドオンを使用している。
ダウンロード
Blender2.8からは内蔵アドオンから除外されたため、下記からダウンロードする必要がある。
https://developer.blender.org/diffusion/BAC/browse/master/render_auto_save.py
F2【高機能面張り・ブリッジ】
メッシュ編集
高機能面張り・連続ブリッジ・穴を塞ぐ・L字の箇所に面作成など。
マウス位置で貼る方向を指定できる。
自分はこれから先に知ったので、他のアプリのブリッジ機能の使いづらさに驚いた。
Loop Tools【円形化・リラックスなど】
標準機能の[球へ変形]よりも高機能に円形化することができる。
その他リラックスなどの機能がある。
- 選択物の中にメッシュがあっても円形化
- 複数箇所を一度に円形化
- ループが途中で終わっていても円形化
Node wrangler【ノード作業効率化】
ノード
ノード操作を効率化する。
これはノード操作をするには必須といえる。
- クリックしたノードをプレビューする
- ドラッグで接続
- ミックス接続
- テクスチャの一括設定

詳細な解説サイト
Icon Viewer【アイコンの一覧表示】
メニュー
BlenderのUIのアイコンを一覧表示する。
開発者向けツールなので一般には不要。
自作アドオン
自分のBlender操作は、まず w_pie と keymap_set がなくては始まらない。
自分が足りないと感じた機能は適宜作成しているため、それなりに数がある。
w_pie【機能拡張パイメニュー】 $

メニュー
分類ごとに機能をまとめ、アクセスしやすくするパイメニュー。
右クリックとShift+S,F,G,T,Ctrl+Dをパイメニューで拡張する。
ダウンロード
動画解説
詳細な解説サイト
keymap_set【便利なキーマッププリセット登録】 $

操作効率化
用意されたキーマッププリセットを登録する。
自分のキー設定を環境が移行してもいいようにアドオンとして圧縮したもの。
キーファイルとは違い個別にオンオフができる。
ダウンロード
詳細な解説サイト
info_header_useful【ヘッダーコンパクト化】 $

メニュー
ヘッダーをコンパクトにして細かな機能にアクセスできるようにする。
ノートパソコンの小さい画面や画面分割表示のときなどに、少ない面積でより多くの機能を表示したかったため作成。
- ヘッダーのメニューをコンパクトなアイコンに変更
- コンパクトなコレクションメニュー
- 最近開いたファイル一覧のアイコン
- オブジェクト名の表示・変更
- 各種対称編集ボタンの表示
- ヘッダーの色変え
- ヘッダーからQuick Favorite にアクセスする
ダウンロード
isolate_select【孤立表示】$
操作効率化
ローカルビューをMayaや3ds MaxのIsolate Selectのような挙動にする。
ライティングされたビューポートのまま編集できるように、ライトだけは表示に含ませることもできる。
Blenderのローカルビューでは、単一表示と全表示の行き来しかできず、単一表示を繰り返すことができない問題を解決する。
詳細な解説サイト
All Material List【全マテリアル一覧表示】$

マテリアル
プロジェクト内の全マテリアルを一覧表示する。
- リストからリネーム・選択・削除 ・割り当て
- 選択オブジェクトのマテリアルをハイライト
- マテリアルのパスインデックスごとにフィルター
- 未使用マテリアルの一括削除
- マテリアルクリーンナップ機能
- 選択オブジェクトの未使用のマテリアルと空のスロットは削除し、重複しているマテリアルはまとめます
- ランダムカラーマテリアルを作成・割り当て
- オブジェクトカラーをランダムに割り当て・プリセットから割り当て
ダウンロード
詳細な解説サイト
Lazy Weight Tool【ウェイトの段階数値設定・選択補助】$

ウェイトペイント
ウェイトペイントモードでのループ選択・拡大・縮小などの選択と、
数値によるウェイト割り当てを可能にする。
3ds Maxのウェイトツールのようなものが欲しくて作成。
頂点グループを表示できる。
ダウンロード
Zen Mesh Editing【メッシュ以外のオーバーレイ非表示】$
操作効率化
メッシュ以外のオーバーレイを非表示にする。
不要なものを非表示にしたままモデリングすることができる。
Blender2.79までは、[Render Only]の挙動は「メッシュ表示以外を非表示にする」というものだったのに対し、
Blender2.8では、メッシュ表示まで非表示にされてしまうようになってしまったので、これを改善する。
ダウンロード
UV Drag Island【ドラッグでUVピースを移動・回転】
UV編集

マウスドラッグにより、アイランド選択モードでなくてもアイランドをまるごと選択、すぐさま移動・回転を開始する。
自然な操作でUVの配置・調整作業を高速化する。
UVアイランド選択状態でなくてもすべてを選択して移動することができる。
ダウンロード
render_check_list【レンダーパネルの整理】$

メニュー
レンダリング前によく確認する項目を寸法パネルに追加する。
デノイズやサンプル数の確認・連番のレンダリング枚数の確認の他、縦横の入れ替えが地味に便利。
Blender2.8でレンダリングボタンが消えてしまったので、それも追加する。
- 最終解像度数値を表示
- 解像度比率の表示
- 解像度の縦横の値を入れ替え
- 解像度のパーセントを適用
- レンダリングされるフレーム枚数の表示
ダウンロード
45 Rotate Gesture【45度刻みで回転するジェスチャー】$
メッシュ編集
45度刻みで回転するジェスチャー。
数字入力が必要な操作を省略できる。
ダウンロード
あとがき
アドオンのデメリット
色々紹介したが、常用するアドオンは少ない越したことはない。
便利なアドオンはいくつもあるが、下記のようなデメリットは理解しておいたほうがよい。
- 依存しすぎると他の環境でやりにくくなる
- 管理が大変
- サポートが続くか不安定な場合がある
- 入れすぎると起動が遅くなる
- ファイルデータ自体の構成やワークフローに必須になるようなアドオン(Rigセットアップ関連など)は、大きく依存することになる
さらに厳選するなら
ちなみに自分は、これがないと操作できない・大幅に作業効率が落ちるというアドオンを厳選するならば下記の6つ。
- keymap_set
- 独自の自分がやりやすいよう構築したキー設定は必須
- 簡単削除、ASDトランスフォーム、モード切り替え、視点操作・ダブルクリックでリンク選択
- w_pie
- メッシュ選択切り替え・オブジェクト追加・エディタータイプ切り替えなどは必須
- mira tools
- カーブでトポロジ調整はとても便利
- AutoMirror
- モデリングでほぼ確実にやる操作を簡略化できるのは大きい
- Node wrangler
- ノード操作するには必須
- F2
- これだけでもかなりリトポ・モデリングが捗る