
複数のレンダリング設定を管理して一括レンダリングするアドオンを紹介します。
様々な個別設定を行うことができます。
もくじ
ダウンロード
リンク
開発途中のため、いくつかのバグがあります(後述)。
メニュー
- 基本設定
- レンダリングの基本設定
- カラーマネージメント
- カラーマネージメントに関してのオプション
- 特殊設定
- 一括処理やアドオン固有のオプション
- カメラ
- オブジェクトのカメラリスト
カメラリスト
シーン内のカメラを切り替え・選択などがしやすいリストです。
リスト管理

主なオプション

- 画像・アニメーション
- ファイルパス
- フレーム数・フレーム範囲
- ファイルフォーマット
- レンダリングエンジン
- サンプル数
- 使用するシーン
- 使用するビューレイヤー
- 使用するカメラ
さまざまなオプションをリストアイテムごとに切り替えながら、連続してレンダリングを行うことができます。
その他の仕様
- タスクアイテムがない場合は、通常のレンダリングを行います。
- 暗く表示されている項目は、編集されない限り各シーンの設定に従います。
リストアイテムから設定をロード
リストアイテムの左側のアイコンから、保存された各種設定を読み込むことができます。
レンダリングせずに、設定保存用リストとしても扱うことができます。
オプション
自由なフレーム範囲の指定
各フレームを飛び飛びに指定することができます。
'-'や'..'を利用して、フレーム範囲を指定することができます。
右側の ( ) 内に、レンダリングする合計フレーム数が表示されます。
注意:マイナスのフレームは指定することができません
- 例 : 3,10,15,50-70,450..800
特定オブジェクト・コレクションを一時的に非表示

レンダリング前に特定のオブジェクト・コレクションを一時的に非レンダリングにする事ができます。
特定のライトの無効化などに利用でき、ビューレイヤーを使うより簡易的に非表示にすることができます。
複数データの指定
複数のデータを指定して非表示にすることができます。
複数項目を指定する場合は、データ名を「,」で区切ります。
読み込みボタンから、アクティブなコレクションもしくは選択中のオブジェクトを追加することができます。
特殊なパスの書き出しオプション
擬似的なノーマルマップや、簡易的なオブジェクトIDなど、Workbenchを利用した簡易表示のレンダー素材を出力します(そのためテクスチャなどの透過に対応していません)。
以前のマテリアルオーバーライドの機能は、マテリアルオーバーライド内の強制割り当てオプションに移動しました。
- マテリアルオーバーライド
- 後述
- オブジェクトのビューポートカラー
- オブジェクトのビューポートカラーをレンダリングします
- オブジェクトID
- ランダムカラーを利用してオブジェクトIDのような素材をレンダリングします
- 頂点カラー
- 頂点カラーのみをレンダリングします
- テクスチャ
- テクスチャのカラーのみをレンダリングします
- Matcap
- Matcapをレンダリングします
- 利用するMatcapのファイル名を指定できます
- ノーマルマップ
- Matcapのノーマルマップを利用して、ノーマルマップのような素材をレンダリングします
- 交差線
- 前述
交差線オプション

交差線のレンダリングオプションを追加しました。
ノーマルパスとコンポジットの処理を利用して、交差線をレンダリングします。
線の質は低いですが、freestyleより手軽で高速です。
ノーマルパスをコンポジットにて加工することにより、簡易的なライン出しをします。
仕様

現在のシーンを一時的にリンクコピーして、加工用ノードグループをアドオン内のblendファイルから読み込みます。
このノードを編集することで交差線のレンダリングにも反映されます。最初の読み込み前にアドオン内のblendファイルを編集するか、読み込んだ後にプロジェクト内に残ったノードグループを編集してください。
- blendファイルの場所
- Render Task Listアドオンのフォルダ/blendfile/compnode_data.blend/RTL_Cross_Lineノードグループ
ラインの排他
ノードグループのExclusiveソケットに白黒画像を接続すれば、出したくない部分のラインを除外できます。
白が除外となります。
レンダーレイヤーにvcolという名前のソケットが存在する場合は、自動でExclusiveソケットに接続されます。
例えば、マテリアルごとにvcolという名前のAOV出力を用意しておき、頂点カラーを接続するとよいです。頂点カラーを黒で塗りつぶし、線を出したくない部分を白で塗ってください。
レンダーレイヤーにvcolという名前のソケットが存在する場合は、自動でExclusiveソケットに接続されます。例えば、マテリアルごとにvcolという名前のAOV出力を用意しておき、頂点カラーを接続するとよいです。頂点カラーを黒で塗りつぶし、線を出したくない部分を白で塗ってください。
デフォルト設定の変更

アドオン設定にて、排他に利用するパス名・ノードグループ名・参照するblendファイルのパスは変更できます。
交差線シーンをセットアップ
「交差線シーンをセットアップ」オペレーターが追加されました。
レンダリングはせずに交差線用のシーンのみを作成します。
アイテムクイック追加オペレーター
特殊なパスをレンダリングするリストアイテムを作成します。
すぐさま特定の要素をレンダリングしたい時に便利です。
- マテリアルオーバーライド
- オブジェクトID
- ノーマルマップ
- 交差線
マテリアルオーバーライド

- Cycles
- Cyclesレンダーのオプションであるマテリアルオーバーライドを利用します
- レンダーエンジンはCyclesレンダーとなります
- 強制割り当て
- シーンを一時的にフルコピーして全てのオブジェクトに指定のマテリアルを割り当てます。
- Eeveeレンダーなどでもマテリアルオーバーライドを利用することができます。
- ビューポートカラー
- マテリアルオーバーライドではなくマテリアルのビューポートカラーをレンダリングします
レンダリング後に未使用データを全てパージする
強制割り当てのマテリアルオーバーライドオプションでは、内部処理の中でシーンをフルコピーしますが、削除時に未使用データが残るため、これを回避します。
強制割り当てのマテリアルオーバーライドが有効な場合に機能します。
これはシーンオプションであり、全てのレンダリング終了後に処理されます。
既知の問題
- 強制割り当てオプションが有効な場合は、データの非表示オプションを利用できません
- (シーンをフルコピーで複製するので、データ名が変わってしまうため)
シーン・ビューレイヤー・カメラの個別指定
現在のシーン・ビューレイヤー・カメラとは別のデータを指定することができます。
複数のタスクをレンダリングしてファイル名が重複しないようにするには、後述の特殊文字を設定してください。
シーン・ビューレイヤー・カメラの一括書き出し
すべてのシーン、すべてのビューレイヤー、すべてのカメラを書き出しできます。
各設定は共存して処理されます。
例:シーン 3 、カメラ6 を画像レンダリングした場合、18枚のレンダリング
(内部的処理は、リストアイテムを一時的に各データ分に分割して、個別指定と同じようにレンダリングされます)
カスタムできるファイルパス

ファイルパスに特殊文字を使用すると、そのデータ名に変換されます。
データごとにフォルダ分けしたり、書き出した画像を判別しやすくすることができます。
似たタスクを複数レンダリングする際、ファイル名が重複しないようにするにはこれらの設定が必要です。
特殊文字 | 動作 |
---|---|
{scene} | シーン名 |
{view_layer} | ビューレイヤー名 |
{camera} | カメラ名 |
{task} | タスク名 |
#### | フレーム数 |
{path_dir} | 出力パスのディレクトリ名まで |
{path_name} | 出力パスのファイル名のみ |
{path_sc_dir} | 現在のシーンの出力パスのディレクトリ名まで (複数のシーンをレンダリングする際、現在のシーンの出力パスを基準に使うことができます) |
{path_sc_name} | 現在のシーンの出力パスのファイル名のみ (複数のシーンをレンダリングする際、現在のシーンの出力パスを基準に使うことができます) |
データ名の自動追加オプション
ファイル名が重複しないように、自動でオプションの名前を追加します。
このオプションが有効であり、シーンやビューレイヤー・カメラなどが有効であり、{scene}などの対応する置換文字列がファイルパス内に存在しない場合に動作します。
その他のオプション
重複ファイル名に対して番号を付けるオプション
出力フォルダ内の同名のファイルの数だけ末尾に数字3桁を付けて、上書き保存しないようにします。
差分を保存したいときに便利です。
- "Render Task List" パネルメニュー> レンダーの右のメニュー > "重複ファイル名に対して番号を付ける" にアクセス
レンダーレイヤーノード設定変更オプション
レンダーレイヤーノードをアイテムと同じ設定に変更するオプションです。
現在のシーンのすべてのレンダーレイヤーノードのシーンとビューレイヤーを、各アイテムのシーンとビューレイヤー設定に変更します。
コンポジットノードを利用したいときに事前にレンダーレイヤーノードの設定を変更することができます。
「すべてのレンダーレイヤーノード」が変更されるため、複数のレンダーレイヤーノードを合成したい場合には適していません。
カラーマネージメント

カラーマネージメントのビュー空間・露出・ガンマを変更できます。
色味が補正してほしくない素材用画像を出す際に、ビュー空間「標準」に変更する時などに便利です。
終了後の処理
シャットダウン・再起動・スリープ・Blenderの終了が行えます。
(Mac・Linuxもおそらく対応しましたが、検証できないので確実ではないです)
- メニューのレンダーボタンの右からアクセス
外部blendファイルのレンダリング
現在のBlendファイルをレンダリングすることができます。
まだ試験的で機能に制限があります。
簡易的な進捗の確認

簡易的に実行しているレンダリングの進捗を確認できます。
レンダリングできない場合
処理に問題が発生している場合は、コンソール画面で確認できます。
レンダリング失敗を通知できないのでここで確認してください。

- トップバー > ウィンドウ > コンソール切り替え
よくあるエラー
- ファイルパスが正しくない。
- FileNotFoundError: [WinError 53] ネットワーク パスが見つかりません。
- 画像の保存先のパスを相対パスではうまく処理できません。絶対パスにしてください。
- 対象の外部blendファイル内に、シーンカメラがない。
- アドオンを有効にした後、Blenderの設定を保存してください。
- AttributeError: Calling operator "bpy.ops.rentask.rentask_run" error, could not be found
外部レンダリングでは別のBlenderを起動して、そちらで対象のblendファイルを開いてレンダリングを行います。
そのため、Blenderの設定が保存されていないとアドオンが有効化されてない状態のBlenderが起動してしまいます。
- AttributeError: Calling operator "bpy.ops.rentask.rentask_run" error, could not be found
既知の問題点
外部blendファイルのレンダリング
- 全シーン・全カメラ・全ビューポートオプションは非対応
- フレームの指定複数フレームの指定は非対応
- ※ アニメーションレンダリングは行なえます
- リストアイテムの上下移動ボタンは、何度か実行する必要があります
- 現在のblendファイルとのアイテム順と混在しているため
- 進捗表示は、アニメーションレンダリングの場合、残りフレーム数を把握できません
- プログレスバーのメニューを開いたまま再起動すると、再度メニューを開閉しないと動作しない問題があります
既知のバグ
- アニメーションの場合、フレーム数の####指定が正常に動作しません
- レンダリング終了後に、一時タスクアイテムがたまに削除されない問題があります
- 高度な設定内のいくつかのオプションを併用してレンダリングすると、レンダリング途中でBlenderが操作不能になる場合があります
未実装
- ビューレイヤーの各種パスは未実装。別途手動でセットアップする必要があります
- 外部blendファイルレンダリングの途中停止は未実装
- シード値は未実装
- ユーザースクリプトは未実装
- コンソールレンダリングは未実装
- 終了後のメール通知は未実装
その他
- プラットフォームはWindowsのみをサポートしています
- 他プラットフォームでの確認ができないため
アップデート履歴
ver1.3.1
保存ファイル名にフレーム数追加を指定していなくてもフレーム数が追加されてしまう問題を修正しました。