日本語記事があまりにも少ないので、Fusionの操作勉強の覚書ついでに自分で調べたことを書く。
もくじ
筆者の習熟度
チュートリアルを見ながら、下記の簡単な動画を作った程度。
After Effectsでは遊技機演出等の経験あり。
DaVinci Resolve内で使う場合
DaVinci ResolveでFusionを使うには、まずベースとなるクリップが必要。
クリップを作成したら画面下部の魔法ステッキっぽいアイコンからクリップ編集モードに入る。
Fusionコンポジションを作る
ちなみにDaVinci Resolveは、メディア管理・カット編集・クリップ編集(Fusion)・カラコレ・レンダリングの項目に分かれている。クリップ切り貼りの編集作業をしたいだけなら、ほぼクリップ編集(Fusion)・レンダリングの項目だけでやっていける。
- カット編集モードにて、 Fusionコンポジションを作成する
- エフェクトライブラリ → ジェネレーター → Fusionコンポジション
- 画面下部のアイコンでFusionモードに入る
Fusionコンポジションでなくてもよい
必ずしもFusionコンポジションである必要はなく、他の動画素材クリップや複合クリップでも編集することができる。
- カット編集モードにて、単色クリップを作成する
- エフェクトライブラリ → ジェネレーター → 単色(AEでの平面)を作成する 単色でなくてもなんでもよい
- 右クリックから「新規複合クリップ」にする(AEでのプリコンポ)
- 画面下部のアイコンでFusionモードに入る
EditモードにてFusionを使用した状態のクリップを、カット編集モードで位置変更などの「変形」をしたい場合は、右クリックから「新規複合クリップ」にする必要がある模様。
これをしない場合は、元の素材のサイズからはみ出ることができない。
ノード
モーショングラフィックスのチュートリアル
Building Motion Graphics With Duplicate Tool in DaVinci Resolve 15 - YouTube
ノードベースの特徴
要素のほとんどは、全て手動で構築する必要がある。
例えばAfter Effectsのシェイプレイヤーであれば、シェイプレイヤー1つで様々な項目の操作を完結させることができるが、
Fusionでは、色・形状・トランスフォーム・複製などのノードを1つ1つ用意して手動で構築する必要がある。
構成をより自覚的に組み上げていく必要がある。
単純にレイヤーを重ねたい場合にも、2つのレイヤーを合成するノードが必要になる。
逆にレイヤー順を必要としないため、ノードはキャンパス上に自由に配置でき、別の素材を構成するために作った無関係のノード同士でも簡単に接続・再利用が簡単にできる。
簡単な構造のカットほど手間がレイヤーベースより多いが、
複雑な構造のカットほどノードベースのメリットを活かせる。
3DCGソフトでの構造に近いので、シェーダー構築などのノードエディターを使ったことがあると、ノード編集の根本が理解しやすい。
- キーフレームは[細い棒]
- ◆ではない
- エクスプレッションが利用でき、時間に対するアニメーション量や別のプロパティとの同期などができる
- ノードのプロパティの各項目を右クリック → Expression
キーフレーム編集
ノード画面とは別の、カーブビューやキーフレームビューで編集する必要がある。
- キーフレームやノードごとのクリップにタイムスライダーをスナップできない
- クリップの範囲外までタイムスライダーをドラッグできてしまう
- UIレイアウトをユーザーが変更ができないため、ノートPCだととても狭い
マスクの操作
Mograph for Fusion: Mask Intro/Overview - YouTube
スプライン・カーブポリゴン・円・長方形、ぼかし・線幅などの基本的な機能は揃っている。
ノードの作成方法
ノードを作る方法はいくつかある。
- ノードビューのヘッダーのツールバーのアイコンから簡易的にアクセスできる
- ツールバーの内容は好きなように設定できる
- 左上の分類ごとに階層分けされたメニューから選ぶ
- After Effectsと同じ感じ
- Shift + スペース から、ノード名を検索してアクセスできる
- Spotlight的。欲しいノードが決まっているなら左上の分類メニューから選ぶ方法より早い
- 検索して出てきた項目をダブルクリックすると、そのノードの名前が検索窓に入る?
ノードの操作方法
Fusion: Where are my LAYERS? (for After Effects users)
After Effectsユーザー向けの、Fusionでのレイヤー構造に相当する構造の解説。Mergeノードの理解の仕方を解説している。
動画内ではわかりやすいよう縦に積み重ねているが、左から右や、上から下でも問題はない。配置は自由。
Mergeノード内のCenterをいじって位置調整しているが、transformノードを付けた方がより構造的にわかりやすくなる。
- ノード配置は自由
- 並び順を縦にも横にもすることができる
- 出力ソケットをドラッグしてノード同士を接続する
- 接続を解除するには、接続線をドラッグして取る
プレビュー画面に設定する
- ノードをプレビュー画面にドラッグして、特定のノードをプレビューできる
- ノードの左下の小さな○○ボタンからもプレビューできる
- 1,2キーで左右のプレビューに設定
- プレビュー画面を画面にフィット
- Ctrl + F
ノードのプリセットの作り方
作ったノード設定を使い回すことができる。
ノード設計として保存する方法と、マクロという新しい1つのノードとして保存する方法がある。
設定ファイルはD&Dでも読み込みできる。
ちなみに、Fusionのノードは単なるテキストファイルでできているため、手動で編集することもできる。
- 名前はShift + スペースの検索で他のノードと同じように出てくる
- 日本語も付けることができるが、検索画面で文字化けする
- マクロは、グループ単体では不可
ノード設計として保存
- ノードを選択して右クリック → Setting → Save As… →
- 名前をつけて、〇〇.settingファイルを、下記のフォルダーに保存する
- C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Blackmagic Design\DaVinci Resolve\Support\Fusion\Macros
1つのノード(マクロ)として保存
- ノードを選択して右クリック → Macro → Create Macro… →
- 後で調整したいパラメーターにチェックを入れる →
- 名前をつけて、〇〇.settingファイルを、下記のフォルダーに保存する
- C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Blackmagic Design\DaVinci Resolve\Support\Fusion\Macros
その他
- ノードの割り込み
- Shift + ドラッグで線上にD&D
- 同じものを複製して接続
- Ctrl + Cしたあとに、Ctrl + V
- ノードの無効化
- プロパティ内の左上、ノード名の隣の赤いボタン
- Ctrl + P
- ちなみにカラコレではCtrl + D
- ノードのデフォルト設定を変更する
- Settings > Save Default
- グループ化 Ctrl + G
- 1つのノードになったように見えるが、実際には、個別の枠が作られ格納しているだけ。
- なので、広げて中のノードを見ることができる
- 名前変更 F2
- ソケットの入れ替え
- Ctrl + T
- ノード配置をスナップする
- 何も選択していない状態で、右クリック → Arrange Tool → To Grid
- ノード配置をきれいにしたい場合は有効化することを推奨
- 右上のノードのミニマップを非表示にする
- ノード画面で右クリック → Options → Show Navigator
ノード同士を合成する
レイヤー方式と大きな違いの1つ。
一見面倒に思えるが、意外と
- Mergeノードを使う
- うまく行かない場合
- 重ね順は、最初に接続したものが下(BG Background)で、最後に接続したものが上(FG Foreground)になる
- Ctrl + Tで入れ替えできる
- プロパティのBlendから上下や混ぜ度合いを変えることができる
- 出力先を別のノードの出力先に接続すると、すぐさまMergeノードが作成される
- この手法が使いやすく早い
- これのおかげで、かなり気軽にプリコンポできる
- 入力元のノードに出力を接続すると、すぐさまMergeノードが作成される
- エフェクトで調整したノードを、素早く元ノードと合成することができる
- 青色の入力部分にマスクノードを接続すると、マスクできる
- 単純に重ねたい時は[Burn In]を1.0にする
3Dでできること
Fusion 9 - COMPLETE Lighting Shading Tutorial with new Spherical Camera
3Dに関しては明らかにAfter Effectsより強いと感じる。
実際のCGソフトのような操作感に近く、できることが多い。
各ライティングごとのノードを別々に処理して合成も簡単にできる。
- モデルのライティング
- 粗さなどの質感調整
- モデルのテクスチャ編集
- 炎の動画素材を平面に貼って、曲げて、UVを微調整
- 炎の反射をモデルにも付ける
3Dの扱い方
参考動画
Davinci Resolve 15 | Fusion - Working in 3D Space - YouTube
- 大抵のノードは、2D用と3D用が用意されている
- 3Dノードを2Dノードと合成するには、2Dデータに変換する必要がある
- Render 3Dノードに接続する
- ヘッダー右端
- 最終出力に出すときも必要
- 被写界深度などは、Render 3DノードのRenderingを、Open GLに変更する
- カメラもノードを追加する
- 必須ではない。カメラがない場合は、-Z軸を向いたデフォルトの位置になる
- Camera3Dノードと、3D素材をMarge3Dノードで接続する
パーティクル
- パーティクルノードも最終出力にはレンダーノードに接続する必要がある。
- pRenderノード
- pEmitterが基本のパーティクルノード
Fusion 9 - Wavy String Theory ( AE Tutorial Fusionized ) - YouTube
いくつかチュートリアル動画を見たが、この投稿者の方のチュートリアル動画が面白くわかりやすかったのでおすすめ。
Fusionでの素材構築の考え方が学べた。
3Dビューの操作
ビューポート操作
- 移動 マウス中ボタン
- 回転 マウス中ボタン + Alt
マニピュレーター切り替え
- W,E,R
色調整(カラコレモード)
DaVinci Resolveの場合、専用のカラコレモードがある。
使いやすくはあるが、Fusionのノードとは別作業になるのでノードの複雑な処理はできない。クリップ全体に適用されるため、実写動画の簡易一括加工向けか。このモードを使わなくてもFusionのみの色調補正ノードでも完結できる。
ちなみにいいエフェクトは有償版のみが多い。
- Shift + S 後ろに追加
- Alt + S 前に追加
PSDファイルの扱いには弱い
psdファイルをレイヤーごとに読み込むことはできるが、あくまで可能なだけであって実用できそうにはない多くの制約がある。
- Photoshop の psdファイルを読み込む
- トップメニューバーのFusion → Import → PSD…
- 日本語が文字化けする
- グループフォルダは読み込みに考慮されない
- 大量のレイヤーがあるととても縦に長いノードになって扱いづらい
- スクリーンなどのレイヤーのブレンドモードが、Photoshopと挙動が違うため同じ絵にならない
その他
- プロジェクト設定という概念は薄い
- あくまで各ノードのデフォルトの値を決めているだけなので、各ノードごとにサイズ変更することが簡単にできる
- 16Kなどの超解像度に強い
- プレビューの解像度を下げる
- トップメニューバーの 再生 → プロキシモード → Quarter Resolution
- キャッシュを破棄する
- 画面右下端にある、00% 0000MB のように書かれている部分を右クリック → Purge Cache
- Illustratorなどのベクターデータを読み込む
- .aiのインポーターはないので、SVGファイルで読み込む
- トップメニューバーの Fusion → Import → SVG...
Fusionの総合的な評価に関しては下記の記事にて