チュートリアル動画をいくつか見て、短い動画を少し作って多少わかってきたので、Fusionの利点・欠点・使用感などをまとめる。
具体的な使い方は下記の記事にて
https://bookyakuno.com/fusion-basic-operation/
もくじ
Fusionとは
3Dデータの扱いや実写素材の合成に強いノードベースの動画合成ソフト。
機能制限版が無償で扱え、制限も少ない。
DaVinci Resolve内蔵版との違い
Fusionには単体版とDaVinci Resolve内蔵版がある。
カット編集ソフトのDaVinci Resolveの中にもFusionが結合されている。Premiereの中でクリップごとにAfter Effectsが編集できるようなもの。
自分はDaVinci Resolve無償版内のものを利用する。
- Fusion 16 無償版
- Fusion Studio 16 ¥33,980 (税抜)
- DaVinci Resolve 16 無償版
- DaVinci Resolve Studio 16 ¥33,980 (税抜)
内蔵版の機能制限
下記のリストは、有償版DaVinci ResolveとFusionの、公式の機能比較のリストから不可のものをまとめたもの。
全体でこれだけなので、単体版に比べて大きな制限はない模様。
リンク先の比較では使用可能の機能がかなり多い。
ただネットワークレンダリング関連がすべて不可。
- 単体版では32K x 32Kを超える画像をサポート、内蔵版では16K x 16Kに制限
- Media ComposerタイムラインからFusionを使用するためのAvid Connectプラグイン
- 別の作業中にコンプをレンダリング
- スタジオプレイヤー関連すべて
- 性能関連の、リモートノードでスケーラブルなレンダリングとインタラクティブなパフォーマンス
- 性能関連の、リモートレンダーノードでローカルのパフォーマンス/インタラクティブ性を改善
- ネットワークレンダリング関連のすべて
- キーイング関連の、業界標準のPrimatte 5キーヤー
- ビンとメディアの構成関連の、ネットワーク上でBin資産を共有するためのBinサーバー。
- ファイル形式の互換性関連の、タイミングと再生にWAVオーディオを使用
Fusion 16 – 比較 | Blackmagic Design
利点
- DaVinci Resolveに内蔵されており、カット編集をしながらシームレスにクリップ編集ができる
- ノードベース
- 簡単にプリコンポできるので、複雑化してもわかりやすい
- 配置や構造を自由にできる
- 高速にノード構築できる操作性が用意されている
- After Effectsに劣らない一通りのエフェクトを網羅している
- マスクの各種シェイプ
- ブラー
- 色調補正
- 歪み
- キーイング
- 変形
- トラッキング
- ベクトルペイント・ロトスコープ
- 画像のレタッチ
- パーティクルが強い
- 3Dが強い
- 扱える項目や操作性が3DCGソフトに近い
- 質感調整
- テクスチャ調整
- ライティング
- ノードなどのデータはASCII情報であり、コピペや直接編集ができる
欠点
自分がわかっていないだけで解決できるかもしれない。
- Fusionでの動画制作・ノード構築の考え方を理解する必要がある
- 動画編集に関する知識をより正しく理解して操作する必要がある
- エフェクト名・パラメーター名などは英語
- 多くは映像編集の基本的な単語なので、それなりにはわかる
- ユーザーが少ないためネットに日本語情報が少ない
- さらにアプリ名が単純な単語だけなので検索しづらい
- ズームがCtrl + ホイール
- 数値入力し終わったあと、エンターを押すと次の項目に行ってしまうため、すぐさまスペースキーで再生ができない
- 自分の環境では30fpsでレンダリングすると失敗する?
- キーフレーム操作は弱い?
- 画面構成を自由にレイアウトできない?
- キーにタイムスライダーをスナップできない?
- レイヤーより理解しづらい
- ショートカット操作が少ない
- .psdや.aiなどは弱い
- レイヤーごとに読み込めはするが、再現できない部分があり、正常に表示できない
- グループ分けされないため、レイヤーが膨大だとノードも大量に羅列する
- PSDToolKitはない
その他リンク
"第3のコンポジットツール"、Blackmagic Desigin「FUSION」。無償版、OS X版の登場で 改めて注目を集める本ツールの実力をさぐる | 特集 | CGWORLD.jp
https://cgworld.jp/feature/201511-fusion-cgw208t2.html
総評
「レイヤーの重ね順にすらノードが必要だなんて面倒だ・極力ショートカットだけで操作したい」とやり始めは思っていたが、習熟すれば気にする間もなくすぐさま組み上げることができる。
- 無償で誰でも始められるが、ノードベース操作の敷居が高い
- 習熟すれば制作スピードは出せる
- 得意・不得意はありそう
- 3DCGや実写映像の合成に強いのでそれ向け
- エフェクト種類の量はAfter Effectsに劣らないくらい一通りのものがある
- psdやaiデータに弱い
- ユーザーが少なく、ネットに情報が少ない
- キーフレーム操作は弱そう