あくまで、規制するならどのような手段を取るかを考える。
自分はどちらかといえばAI推進派である。
自分としては、AI学習に法的な規制は不要で、生成物を使った悪質な行為は現行法で対応できると考える。
生成AIの諸問題の考察については下記リンク先にて書く。
もくじ
まとめ
- 生成AIモデルの商用利用を禁止する。
- 商業的な方面での発展が期待できなくなる。
- AI学習を許可性にする。
- 法改正が必要になる。
- あらゆるウェブサービスに学習可否オプションを一般化する必要がある。
- 学習元データの開示を義務化する。
- 付随して学習可否オプションの普及が必要になる。
- AI生成物にウォーターマークを付ける。
- 現状技術的に難あり?
- 収益を学習元の作者に還元する。
- 「学習元データの開示を義務化」と合わせて運用が必要。
生成モデルや創作性の薄い生成物の商用利用の禁止
- 個人で楽しむことや金銭のかからない場で公開することは許容し、商用利用は禁止とする。
たとえ生成モデル自体に問題がなかったとしても、学習元の著作物が前提に成り立っているため、生成モデルの有償ウェブサービスや、創作性の薄い生成物の販売は角が立ちそう。
(もう少しはっきりとした理由を書きたい)
難点
- 創作性の薄い生成物と高い生成物の判別が難しそう。
- 営利企業が作る、より高度な生成モデルが生まれなくなる(商業的な方面での発展が期待できなくなる)。
法改正し、著作物のAI学習は許可性にする
- 学習を許可した作者の作品のみを学習可能とする。
無断で学習されることを止めることができる。
生成AIは物量によって精度や技術の発展がされている面があるので、生成AIの利点を潰しそう。
難点
- 学習元が大幅に減少する。
- AI生成の精度の低下し技術の発展が遅れる。
- 生成AIは膨大な学習量によってより良い結果を出しているので、もし許可性になったら技術の発展が大きく遅れるだろう。
あらゆるウェブサービスでの学習可否オプションの一般化が必要
もしAI学習が許可性になった場合、AI学習に貢献してもいいと考えている作者がプロフィールなどで「許可する」と書かれていても、それを機械的に判定して収集しにくいので利用できない。
そのため、ウェブサービス側でAI学習許可オプションのようなものが必要になってくるが、現状ほとんどのウェブサービスには付いていない。
今後様々な分野で生成AIが発展していくので、それを阻害しないためにはあらゆる投稿サイト(イラストのような作品投稿サイトだけではなく写真や短文など些細な投稿ができるあらゆるサイト)で、AI学習許可オプション(または利用規約での許可)が必要になってくる。
学習元データの開示を義務化
- 学習元データの開示を義務化する。
社会的な立場のある企業に対して一定の意味はありそう。
ただ、学習側にコストが増える。
このデータ開示を元に学習拒否したい作者は出てくるので、やはり事前にそれを除去できる学習可否オプションの普及が必要になる。
利点
- 学習拒否したい作者は、作品の使用を止められる。
- 特に企業に対しては、問題のない画像を使わなければ社会的にまずいので有効。
難点
- アングラ界隈での学習は止まらない。
- モデルを作った後に学習元の取り下げ要求がされたら、再学習に時間コストが掛かりすぎる。
- そのような事態を事前に回避する学習可否オプションの普及が必要になる。
AI生成物には必ずAI生成物とわかるように公表する
これに自分は否定的で、そんなの本人が隠せばAI生成とわからないのではと思う。実現できる方法があれば別。
また、これをすることでどれほどメリットがあるか?
(悪質なフェイク画像防止?)
ウォーターマークを付ける
ウォーターマークをメタデータ埋め込みによる電子透かしで実現する技術があるらしい。
編集しても消えないようらしいが、スクショした場合や複数のAI画像を編集で合成した場合はどうなるのかが気になる。
[速報]Google、責任あるAIを実現するとして、画像にウォーターマークとメタデータの埋め込みを進めると発表。Google I/O 2023 - Publickey
もしくは、AI生成物には目視できない特有のノイズがあるようなので、Skebでも利用されているそのAI画像判定技術をあらゆる画像投稿サイトに適用すれば実現できそう?
収益を学習元の作者に還元する
- 学習に利用されるたびに学習元の作者に利益を還元する。
利点
- AI学習されることに、学習元にメリットができる。
難点
- 具体的に実現性があるかが難点。
- 前述の「学習元データの開示を義務化」と合わせて運用が必要。
- 現行の生成モデルにおいては、学習元に何を使ったか具体的にわからないので無理。
具体案:大手投稿サイトが生成モデルを作る
Shutter Stockのような、権利を統括できる画像素材サイト自身が、1から作ったモデルなら実現可能そう。
ただ、素材サイト内に無断投稿した他人の作品が割と含まれているので、また別の問題がありそう。
また、使われる学習元作品ごとに、頻度による収益の配分のような仕組みは技術的にできるのか疑問(カラオケで歌われるたびにその特定の曲に収益が入るような)。
AI学習されたくない場合の対策
無断学習拒否の意を示す
- プロフィールなどで、自分の著作物の無断学習は拒否する意を示す。
- 投稿サイト側が、無断学習を許可or拒否できる項目を追加する。
声明を出した所で無断学習自体はできるため拘束力はないが、牽制する意味はある。
自分の作品をネットに投稿しない / 削除する
絶対にAI学習されたくないなら一切ネットに投稿しないのが確実。
投稿済み作品の削除は、今後データを収集されることは難しくはなるが、一度ネットに上げたものは拡散されるのがネットの性質であるため、AI学習を止めるのは難しい。
自分のスタンスを見せて牽制する意味はある。
Glazeで絵にノイズを付与して学習を阻害する
- 絵に薄いノイズを付与して、AI学習された際に無意味なノイズになるようにする技術を利用する。
実際学習された結果を見ても、まともに元絵の学習が認識できるので無意味そう。