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フリーランスの依頼受注の流れ【仕事 / 見積書から入金まで】

その他

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自分はフリーランスとしてほぼ初心者だが、いくつか仕事を受けてみて重要に感じたことをまとめる。
間違っているところはあるかもしれない。

仕事を得る

自分自身の周知・仕事がほしいという意思を周囲に示すことが重要。
今依頼する案件がなかったとしても、今後良さそうな仕事があった時振ってくれる。

実績・ポートフォリオを全面に出して、自分が何が得意でどの程度できるのかを知ってもらう。

依頼を受ける

依頼の具体的な説明・完成イメージに近い参考画像などの情報を聞いたりして、どんな依頼内容かを知る。
今後の制作ややり取りがよりスムーズに進めるように、しっかりと聞き出せると良い。
実際に会ったりビデオ会議などで対話の場を設けたりする。

  • 電話や対面で依頼することが決まったとしても、メールなどの文章に残しておく
    • 見解の相違があると後々こじれるため、しっかりと文章にして意思確認する

聞くべき内容

大抵はクライアント側から伝えてくれる事項。もし漏れがあったら聞いておく。

  • 相手の名前
    • 会社名・担当者名
  • 具体的な依頼内容
  • おおよその取引期間
    • 1週間程度なのか数ヶ月単位のなのか
  • 成果物の利用用途・利用範囲
    • 最終的にどのような形で利用されるのかや、イベントなどの期間限定とか今後も繰り返し利用するのかなど
  • 支払い方法
  • 納品形式・方法・期日
    • どのようなデータ形式の成果物を、どうやって、いつまでに提出するのか

提案する

業界外の人からの依頼の場合、その依頼内容が本質的なクライアントの目標に合致しているか考える。
自身のプロの視点から「こうすればよりよくなる」というようなことがあれば積極的に提案していく。
また、自分向けの案件ではないのなら辞退して、可能なら知人のフリーランスを紹介したりする。

依頼内容の確認

不明瞭な点があればお互いに確認して、イメージを固めていく。
相手が出してきた要望をこちらが要約して書くと互いに意思確認しやすい。

取引で使われる文書

取引の際に様々な文書が使われるが、依頼の規模や互いの意思によっては省略される。
ただし、最低でも見積書は作成すると良い。

Excelのテンプレートをネットからダウンロードして、自分にあうように調整、必要事項を記入して、PDFとして書き出して相手に渡すなどする。
見積書・請求書はPaypalで作成することもできる。

見積書

依頼内容を確認して、見積もりを出す。

  • 金額
  • 文書作成日
  • 依頼の達成条件
  • 個数・小計・合計・消費税など
  • 納品期日

料金の決め方

依頼内容を考慮した料金を示す。

ある程度値段設定の意味付けはしておく。
もし値切りや金額の詳細についてつつかれてもいいようにする。

  • 実際の金額より高く
    • 純粋な作業内容以外も考慮する
    • 高めに設定しておけば、料金化しづらい雑務や想定外の内容に対処できる。値引きに対応したり、追加で「もうちょっとこうしてほしい」などのことに対応することができる
  • 最低金額以上に
    • 自分が仕事として受ける最低金額を決めておく
    • 実際の内容は1,000円程度の仕事でも、そのために書類を作ってメールでやり取りしてチェックや修正などしていると結果的には割りに合わない
  • かかる工数に対して生活が維持できるか
  • 仕事中の自分のモチベーションを維持できるか
  • 値引きするなら自分のやる仕事量を減らす
  • 気乗りしない案件なら値段を上げて帰ってもらう
  • 急ぎの納期を要求するなら値段を上げる
  • 自分を安売りしない
  • 料金に適う仕事量・労力の仕事をする
    • 余計に働くことは自分自身の安売りになる

物事の値段を付けるのは売り手と買い手であり、互いに同意すれば相場から逸脱していようとその値段になる。
相場として安すぎても高すぎてもそうなる。

工数

フリーランスに休日がほとんど関係ないからといって休日を設定せず働くと、本当に休みがなくなる。
気が休まる日がないし、あるはずの休日も平日価格で買い叩かれる。

実際に休日も働くとしても、形式的な休日は設定しておく。

  • 休日を設定しておく
  • 工数は一般的な営業日で計算する
  • 休日に働くことを要求されるなら休日割増にする

受注書

提出した見積もりに問題なければ受注書を出してもらう。
もしくは自分で作成して、相手に確認してもらう。

契約書

業務委託契約や機密保持契約など、必要であれば契約書を交わす。

よく内容を読み、わからない点や自分に不利な点・契約書の期間については交渉する。

第3 秘密保持誓約書の例 - 経済産業省

印紙税

金銭の支払いを契約書で取り決める場合は、印紙が必要になる(金がかかる)。
電子での契約書や、金銭の取り決めをしない契約書なら不要。

記載された契約金額
1万円未満非課税
100万円以下200円
100万円を超え200万円以下400円
200万円を超え300万円以下1千円
300万円を超え500万円以下2千円
500万円を超え1千万円以下1万円
2020年8月21日時点

No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁

契約を交わす方法

本人や企業の明確な証明が必要なため、署名する必要がある。

対面

契約書を提案した方が契約書を2作って署名し、相手も両方に署名したあと、1つを自分が保管し、もう片方を相手が保管するようにする。

郵送

契約書を提案した方が契約書を2つに署名して、相手に送り、相手も両方に署名したあと、片方だけを返送してもらう。

電子証明

デジタルでの契約書に印紙は不要。
ネットで契約書をやりとりできるサービスがあるので、それを利用する必要がある。

ペンネームは契約書に使える

契約書に本名ではなくペンネームを利用することができる。
ただ、企業によっては本名を要求されることが多いし、やり取りしているうちに住所や本名は必要になってくる。

少なくとも守秘義務はあるので、まともなクライアントなら勝手に本名を公にされることはない。

受諾

受注書の内容で互いに同意すれば、依頼を受諾する。
制作に着手する。
ちゃんと明言して、どこから始まってどこで終わるのかを明確にさせたい。

制作・提出

制作中に疑問点が生じたらなるべく早めに問い合わせる。

実際の制作作業でのフォルダ構造・ファイル管理はこちら。

ラフ段階

長期間かかる制作物や、制作物の確実な方向性がまだ決まっていなかったりする場合はラフや下書き段階で一旦提出する。

本制作着手後に大幅な変更は難しいので、ここで相手が納得の行くよう確認してもらう。

複数案出し

3案程度方向性の違うものを出して、クライアントのイメージに近い案を選んでもらうやり方がある。
最初からイメージの固めにくいデザインにおいてよく行われる。

ほぼ完成した段階

こちらが第一チェック用の完成した制作物を提出する。
依頼内容の要件を満たしていて、後は相手にチェックしてもらって修正点を直す、くらいの完成度だと今後もスムーズ。

まだ未完成部分があるならその旨を伝えて、未着手部分や今後どのようにするかを伝える。

相手がその業界に疎い場合、途中経過の制作物を見せると逆に今後本当に良くなっていくのか不安にさせてしまうこともある。その場合はほぼ完成段階で見せる方がいいかもしれない。

リテイク

納品物は、チェックバックの修正を繰り返して完成させる。

  1. 制作物を提出する
  2. 相手の要求通りのものが作れているか確認してもらい、イメージと違う点などを指摘してもらう
  3. こちらが要望の点を修正する
  4. 再度提出する
  5. これを繰り返す

追加料金

フリーランスの最初の頃は善意であれこれ無料でやりがちだが、あくまで仕事は金銭的取引なので理不尽な取引には追加料金で対応したい。

「〇〇のような場合は追加料金をもらう」ということを事前に伝えておくとトラブルを減らせる。
逆に自分に非がある不手際やミスは粛々と修正するべき。

難航する場合は、そもそも互いの認識のすり合わせがうまくできていない可能性がある。相手の目指しているゴールがわからなくなってしまったら、一旦制作の手を止めてもう一度ヒアリングを行うことも大事。

  • 最初の取り決めとは違う追加内容
  • あまりに修正回数が多い場合
  • もっと前に指摘できたような修正を繰り返し指示されるような場合

検収

商品のチェックを相手がすることを検収という。
この検収を相手がしないといつまでも取引が終わらなかったり、指定の提出期日に間に合わないということになりうる。

長過ぎる場合は、返答を催促したい。

提出後に一定期間返答がなければチェックをクリアしたものとする」みたいな規約があるとよい。

取引終了

取引終了後の追加修正は別の依頼とし、料金を取る。

ファイル整理

取引が終了したら、完成作業データをまとめる(デジタルの制作物の場合)。

作業途中でできた増分ファイルがあると、後で同じ案件の続きを受けた時にどれが最終データなのか迷ってしまったり容量を圧迫する。
なので、完成データのみでまとめて、不要なファイルは一定期間経ったら削除するかバックアップ用HDDなどに移動しておく。

増分ファイルはすべて「old」フォルダにまとめながら作業すると後で楽。

入金

依頼の報酬を入金してもらう。
制作が終わった後入金するのが一般的。

まだ信用の成り立たっていない相手には先払いだと、フリーランス側としては助かる。

請求書

請求書とは、下記の内容が記載されている文書。
こちらが請求書を送る。

  • 請求日
  • 請求金額
  • 支払期限
  • 支払い方法

銀行振り込み

支払いは銀行振込が一般的である。
銀行振込では、支払い側が数百円程度の手数料を取られる。

  • 手数料は一般的には入金側が自費で払うことが一般的
  • 規約や請求書に「振込手数料はお客様負担となりますので、お願い致します」などと記載しておくとよい
    • 勝手に報酬金額から手数料を引く相手がいるため
  • 同じ銀行同士なら手数料は取られなかったりする
  • 銀行によって手数料は違う

Paypal

  • Paypalで請求書を作成できる
  • 入金をすぐさま確認できる
  • 様々な支払い方法ができる
  • 海外相手でもやりやすい
  • 入金の際に受け取り側が手数料を取られる
    • 定額手数料ではなく金額の3.6%のため、%で引かれるのはかなり大きい

支払調書

支払調書とは、報酬からどの程度税金を引いて収めたかを通知する書類。
取引相手の企業からもらえる(人を雇って給与を支払っている会社)。
企業側はこれを作成する義務はないが、フリーランスとの取引が多い会社では慣行として交付してくれる。
これがあると確定申告がしやすくなる。

こちらは、住所と名前を相手に伝えて、書類が届くようにする。

  • 1月頃に届く
  • 税務署へ提出するもの

報酬・料金などの源泉徴収|国税庁

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